[高校バスケ]林琴美と小松美羽、「姉と妹」のような岐阜女コンビが挑む冬【SoftBank ウインターカップ2024 プレビュー】
コート上の5人全員がエース
33年連続33回目のウインターカップ出場。2015年、18年の2度の日本一。ウインターカップの常連であり、世間からは毎年上位進出を期待されるのが岐阜女子高等学校(岐阜①)だ。しかし当事者である安江満夫コーチと選手たちは、この大会にどのような思いを持っているだろうか。 「(どの世代も)子どもたちと一緒に3年間積み上げてきたものがあります。最後に3年生とともに全国大会に挑める機会ということで、本当に集大成というようなつもりでいつも臨んでいます」。安江コーチは語る。 チームを率いて48年。毎年、揺るがないディフェンス力を軸にしながらそれぞれのチームの表情を見出してきた。昨年は最上級生シューティングガードの絈野夏海(現・東京医療保健大)というエースを軸とする戦い方で準優勝。そのチームから今年は、2年生を主体に「コート上の5人全員がエースだと思っています」と称するスタイルへと変貌を遂げたが、インターハイで決勝進出を果たし秋のU18日清食品トップリーグ2024でも2位(5勝2敗)と、新チームは結果を残している。
頼もしい成長ぶりに「決してサイズがあるわけではないですが、自分たちのいいところである足を使ったバスケットを最後まで貫き通したいと思いますし、それぞれが自分の色をちゃんとしっかり出してくれば、それにプラスアルファが出てくるでしょう」と安江コーチは頬を緩める。 その過程では大きな収穫もあった。「一番大きかったのは、メインの留学生であるディヤイ・ネイ抜きで本当にサイズがない状況でちゃんと戦い切れたこと。選手たちにも僕自身にも大きな自信になったといいますか、『こうやって戦えるんだ』という確信を持ちました。選手たちがそれを一番実感として持ってくれていると思いますよ」。
お互いに切磋琢磨しながら成長し合う関係性
この新チームで悔しい思いをしながら1年間を過ごしたのが、故障でベンチを温めることが多かったキャプテンの林琴美だ。 林は、「やっぱり怪我している期間は、自分もやりたいと皆が羨ましく思えてしまいます」と素直な気持ちを語りながら、「このチームでキャプテンをさせてもらっているので、たとえ自分の調子が悪くてプレーがうまくできなくても、味方を信じて、キャプテンとしてどこまで皆を引っ張りながら支えていけるかを考えながら、過ごしてきました」と振り返る。 「バスケができない間は違う視点で試合を見ながら、どういう展開で試合が流れているのかを理解して、それを周りに伝えていく役目を意識してきました」。 ウインターカップへの思いも強く、「やっぱりウインターカップといえば限られた高校生しか立てない舞台です。それができることに感謝して、今までやってきたことを全部出し切りたいと思います」と意気込みを語る。1年生だった2年前の大会で、大阪薫英女学院を倒した準々決勝は特別な思い出。前半に2桁点差のビハインドを背負いながら、後半の逆転劇で69-66の勝利を収めた経験が、今につながっているという。 安江コーチはそんなキャプテンがベンチにいることを、「今はバックアップに回っていますが、キャプテンがバックアップにいることがある意味でチームにとって大きな力。一番厳しいときに頼れると思います」と前向きに捉えている。 林自身も「どの試合も山場になってきますので、気を緩めることなく全力で戦いながら、たくさんの方々に恩返しができるように頑張ります!」と言葉に力を込める。