お誘いの伝え方で損している人がやりがちなこと 相手が返事に困ってしまうようではアウト
職場でもプライベートでも日夜発生している「お誘い」。その際、相手が返事に困らないように伝えるにはどうすればいいでしょうか。「仕事さがしはIndeed」キャンペーンなどを手がけた、元電通コピーライター・藤田卓也氏の著書『伝え方で損する人 得する人』から一部抜粋・再構成のうえ、お届けします。 ■誘うのではなく「提案」する 大切な相手や、お世話になった方、新しくチームに加わってくれたメンバーなどを、距離を縮めるために食事などへ誘う場面を考えてみましょう。照れくさい方や、断られることを想像してためらってしまう方に役立つ伝え方を集めました。
まず大切なのは、相手が返事に困らない伝え方をすることです。「○月○日、空いてます?」といきなり予定を聞いてしまうと、何が始まるのか相手は想像もつかないので、空いていても素直に返事をしにくいでしょう。距離を縮めたいはずが、警戒されてしまうことにもなりかねません。 「行ってみたいお店があるから」と行きたい場所を提案してみる。「日頃のお礼をしたいから」と意図を伝える。「最近SNSで話題だから気になってて」と理由を添える。「夏の球場で飲むビールが最高で」と好きなポイントを紹介する。
ただ誘うだけだと直接的ですので、提案に変えてしまいましょう。直接的に誘うと、Yes/Noで答えられてしまい、もし断られたときにはダメージがデカくなってしまいます。提案であれば、断られても違う提案をできるチャンスが残りますから。 一度聞いたら忘れられないような魅力的なメッセージは、確かに存在します。相手の感情を動かし、お誘いにつなげるためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。コピーも短い文字数の中で、読み手の心に良い引っかかりを作らねばなりません。いくつかポイントをご紹介します。
① 具体的である 言葉を読んだだけで、自分もまるでそこにいるかのように、情景が浮かんでくる。具体的であることは情報を視覚化しやすく、想像によって実感しやすくします。 例えば、「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。」(ルミネ/2008年・尾形真理子)というコピーがあります。「試着室」というワードはもちろんですが、「本気の」という形容詞もまた、ただの恋ではない強さがあります。脳内で恋の思い出を振り返るトリガーとして、具体的なワードは機能するのです。