ロバート・ケネディ氏は本当に「撤退」したのかをめぐって論争:米予測市場動向
エムポックスのパンデミックはない
かつてサル痘として知られていたウイルスであるエムポックスは、8月14日に世界保健機関(WHO)によって世界的な公衆衛生上の緊急事態が宣言された。 米国で規制されている予測市場プラットフォーム「Kalshi(カルシ)」のベッターたちは、このまま事態は収束を迎えると確信している。 2020年の最初の数カ月を象徴するこの用語を覚えていない人のために説明すると、WHOは「公衆衛生上の緊急事態」を、公衆衛生に重大な危険をもたらし、早急な行動を必要とする状況と定義している。一方パンデミックとは、複数の国や大陸にまたがる多数の人々に影響を及ぼす疾病の世界的な流行である。 カルシのベッターたちは、公衆衛生上の緊急事態が年内にパンデミックに移行する確率をわずか13%とみている。 一方、ポリマーケットのベッターたちは、9月30日までに確定症例が米国で発生することに懐疑的で、その可能性は38%に過ぎないとみている。 エムポックスは新型コロナウイルスとは異なるという医学的コンセンサスを、市場も理解しつつあるのかもしれない。新たな変異株がアフリカで流行しているが、専門家によれば、空気感染するコロナウイルスとは異なり、密接な物理的接触を通じてゆっくりと広がるため、広範囲に感染する可能性は低く、それほど心配する必要はないという。 さらに、アメリカではすでに 「リスクのある」人々のためにワクチンが用意されており、ヨーロッパ全土でもワクチンが展開されている。 ベッターたちはまた、今回のエムポックス流行の原因として研究室からの流出の可能性を除外しており、この仮説が当局によって認められる可能性は5%しかないとみている。 新型コロナパンデミックの初期には、このウイルスの起源に関して研究室からの流出という説は、陰謀論として否定されていた。しかし、「オヴァートンの窓(多くの人が許容できる考えの範囲)」は広がり、今ではニューヨーク・タイムズ紙でさえ、新型コロナウイルスはおそらく研究室から流出したのだろうという論説を掲載している。 |翻訳・編集:山口晶子|画像:ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(CoinDesk/Shutterstock/Suzanne Cordiero)|原文:Did RFK Jr. Really 'Drop Out'? Polymarket Bettors Argue Over Contract Resolution
CoinDesk Japan 編集部