「取るだけ育休」男性が家事や育児しない実態…企業は取得後押しするが「役に立たない」と望まない女性も
知事会などでつくる九州地域戦略会議の昨年度調査では、回答した6歳未満の子を育てる九州・山口と沖縄県の約3600人中、10%が男性育休を「取得したい(してほしい)と思わない」と回答。理由は「(家事・育児の)役に立たない」が最多で半数近くを占めた。
こうした中、自動車部品製造のえびの電子工業(宮崎県えびの市、従業員593人)は、家事・育児の分担などを条件に、本来は無給の育休期間でも1か月分の給与の33%を会社が手当として賞与に加算。社員はハローワークを通じて支給される育児休業給付金と合わせると、給与の約1か月分を受け取ることができる見通しだ。夫が社外で勤務している場合は、妻に支給される。
ただ、夫が「取るだけ育休」の場合は、妻が報告し、復帰を求める規定を盛り込んだ。
東京大の山口慎太郎教授(労働経済学)の話「育休の普及は企業にとっても、業務が1人に偏らないよう見直すことで効率化につながる利点がある。取るだけ育休を避けるには夫婦間のコミュニケーションが重要。女性の負担感が軽くなれば、就業の継続や第2子以降の出産につながる」