ここは火星?NASAは訓練、ハリウッドは映画のロケーアイスランドの平原
ダウンジャケットにニット帽、手袋……、いつもより膨らんだスーツケースを転がし成田へ。ヘルシンキ経由で北極圏に位置するアイスランドに向かった。国名からイメージしていた“氷の国”は想像を超えていた。
アイスランドに鉄道はなく、移動は国内線の飛行機か長距離バス、タクシー、レンタカーを利用することになる。国際空港のケフラヴィーク空港に到着し、首都レイキャヴィークまでは車で45分程度。移動中の車窓から見える風景に少し驚いた。遠方に少し山が見えるのだが、溶岩が固まったようなゴツゴツとした地表がずっと続く。 まるで火星に降り立ったかのような風景は、他になかなかない。実際、多くの映画監督が、地球外惑星や氷河期の地球、地球滅亡後のシーンとして、ここアイスランドでロケをしている。中央のアスキャ山では、アメリカのアポロ計画においてNASAの宇宙飛行士の訓練場としていたことからも、青と緑の地球の印象とは全く違った光景だ。 (2017年4月撮影・文:倉谷清文)