【小泉恵未コラム】海外競馬のトレンドをつくっている森秀行調教師、福永祐一騎手のラスト騎乗後にちゃっかりサイン…おちゃめな一面も
11月1、2日で行われるブリーダーズC。日本馬は史上最多19頭の参戦、そのうち森厩舎が5頭、2歳馬が4頭を占めます。森秀行調教師は海外競馬のトレンドをつくっています。1994年の香港国際Cを皮切りに、95年のスキーキャプテンでケンタッキーダービー日本馬初挑戦、98年にはシーキングパサールでヨーロッパのGⅠを初制覇。そして2020年にはフルフラットがサウジアラビアで日本馬初勝利を挙げます。最近ではサウジ初参戦の調教師や牧場スタッフの”頼りになるガイドさん”と化していて、レース前日に「森さん、当日って結構渋滞しますか?」「何時までに競馬場に着いていた方がいいですかね」みんなが口々に質問する姿が印象的です。海外にくまなくアンテナを張り、それを独り占めせず、競馬界で広げていく姿がみんなをひきつけているのでしょう。 写真は昨年のリヤドダートスプリント後の光景です。福永祐一調教師がリメイクで騎手人生最後の騎乗を終えた後、友人に向けてサインをしていたところ、スッと森師もサインを求めるおちゃめな姿。川田騎手も横で見守り、何ともほっこりする瞬間でした。 その時3着だったリメイクは今年、川田騎手で制覇。リメイクの新谷師と松田助手は森厩舎に所属していたことがあり、森イズムに影響を受けた2人です。今年はそのリメイクもコリアスプリント勝利を経てブリーダーズCスプリントに参戦し、森厩舎のメタマックスと対戦します。 今回出走する森厩舎2歳馬の中では、ジュベナイルターフスプリントに出走するエコロジークに海外記者たちが注目しています。父トワーリングキャンディの米国産馬で、カンナSの勝利はスタートひと息も、その後のダッシュ力や勝ちタイムが評価され、想定オッズ1番人気になるほど。ここで勝てば、輸送が楽な西海岸開催に限りますが、2歳馬の新しいローテーションに加わるかもしれません。 スプリントとジュベナイルターフスプリントは、残念ながら日本での馬券の発売はありませんが、ぜひ見守っていただきたいレースです。(フリーアナウンサー)
中日スポーツ