最高出力650馬力でドリフトもできる! 韓国ヒョンデの高性能EV「アイオニック5N」をサーキットで試す!
韓国ヒョンデが投入したEVが大きな話題を呼んでいるという。いったいどこがスゴい? つうわけで、自動車研究家の山本シンヤ氏が試乗し、その仕上がりなどを特濃解説する。 【写真】ヒョンデ「アイオニック5N」の細部 * * * ■韓国ヒョンデがEVの楽しい未来を提示 山本 6月5日に韓国自動車大手のヒョンデが、チョー面白いEVを発売しました! ――ヒョンデって日本市場から撤退した気が......。 山本 実は22年に12年ぶりの再上陸を果たしています。グローバルではトヨタと同じくマルチ戦略ですが、日本で販売するのはEVとFCEVで、販売はオンラインのみという大胆な戦略です。 ――再上陸後の販売状況は? 山本 JAIA(日本自動車輸入組合)によると、昨年のヒョンデの新車販売台数は489台です。ただ、ヒョンデに聞くと今は台数うんぬんよりブランドの認知に重きを置くフェーズとのこと。要は一度撤退しているので、まずは信頼回復が一番であると。 ――今回紹介するのはどんなモデルですか? 山本 22年に発売したEV、アイオニック5の高性能版となるアイオニック5Nです。 ――Nにはどんな意味が? 山本 Nはヒョンデのスポーツブランドで、ネーミングは開発拠点の韓国ナムヤン(南陽)と、開発テストの舞台となるドイツのニュルブルクリンクが由来だそうです。 ――つまり、ヒョンデのNブランドは、トヨタのGRや日産のNISMOと同じような立ち位置? 山本 Nは15年に発足し、これまで量産車をベースにした各モータースポーツに参戦してきました。そこで培った技術やノウハウを色濃くフィードバックさせたモデルにだけ、栄光のNの名が与えられる。ちなみに、NがEVを手がけるのは今回が初。 ――なるほど。確かに見た目もギンギン! 山本 エアロパーツや色使いなど1980年代にニッポンで一世を風靡した〝ホットハッチ〟に通じるスタイルに仕上がっています。個人的には個性が強く好き嫌いが分かれるノーマルのアイオニック5よりも受け入れやすいデザインかなと。 ――気になるスペックは? 山本 前後にモーターを搭載するツインモーターの四駆車で、最高出力は650馬力、最大トルクは770Nmです。制止状態から時速100キロ到達は3.4秒という俊足マシンです。 ――スペック鬼すぎ! このモデルの開発コンセプトは? 山本 アイオニック5Nの開発者を直撃しましたが、「世の中にはハイパワーEVはたくさんありますが、ハイパフォーマンスEVはどうでしょうか。今回、われわれはそこに挑戦しました」と語ってくれました。