中日・高橋宏斗、さらなる進化求め新変化球「ツーシーム」着手 シーズン後半に増えた球数…対右打者に残った嫌な感覚払う
中日・高橋宏斗投手(22)が4日、新球・ツーシームの習得を目指していることを明かした。昨年は最優秀防御率を獲得した右腕だが、シーズン後半はボールゾーンの球を見切られて球数が増えた点に注目。昨年11月に開催された『ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12』のスーパーラウンド初戦米国戦(東京ドーム)で投げ合ったメジャー通算90勝左腕のリッチ・ヒル投手(44)の助言を胸に磨きをかける。 昨季の栄光は、進化を求める22歳にとっては既に過去の話だ。「去年のシーズン後半はきついなと思う部分もあった。高いレベルで見ていくと、ゾーン内で球を動かすことが必要になってくる」。高橋宏は昨秋から習得を目指すツーシームの必要性を語った。 4年目の昨季は、防御率1・38で最優秀防御率のタイトルを獲得。12勝(4敗)を挙げ、規定投球回を投げてのシーズン被本塁打1は、歴代最少だった。最速158キロの直球に宝刀・スプリット、精度が上がったカットボールとナックルカーブのコンビネーションはそう簡単に攻略されることはないように思える。 だが投げている本人の感覚は違った。「僕の投球はボールゾーンの投球を見切られたら球数がかさむ。特に昨シーズンの後半です」。その言葉どおり、昨季の前半戦は1イニングで要した球数が14・6球だったのに対して、後半戦は16・3球に。低めの変化球を見極められ、じわじわと球数が増えた。さらに「僕の持ち球は右打者から逃げていく球なので右打者に踏み込まれた」とも話した。対右打者の被打率は1割6分7厘(左は2割3分5厘)と悪くはなかったが、嫌な感覚は残った。 シーズン後、着手したのがツーシーム。「右打者の体に向かっていく、吹き上がるような軌道をイメージしています」。昨年の秋季練習。ナゴヤ球場のブルペンで握りや投げ方を試行錯誤。理想の軌道を再現するためのイメージを膨らませた。 さらに昨年11月に日本代表として参加した国際大会、プレミア12でも後押しがあった。スーパーラウンド初戦の米国戦(東京ドーム)で、メジャー13球団を渡り歩き同通算90勝を誇る左腕ヒルと投げ合った。140キロ前後の直球とカーブの2球種で日本打線を封じたベテランが試合後「ゾーン内で動かすことを覚えたら、もっといい投手になれる」と自分に向けてコメントしたことを知った。「挑戦してみようと思いました」と意欲が湧いている。
中日スポーツ