三井物産、インド大手スクラップ業MTCに出資。原料安定供給とCE確立
三井物産は17日、インドの大手金属リサイクル業、MTCビジネス・プライベート(本社・ムンバイ、社長・メタ・ナレンドラ氏)に出資することを決めたと発表した。今期(2025年3月期)中に20%超の出資を完了させ、MTC社は三井物産の持ち分法適用会社となる見込み。出資額は非公表。三井物産とMTCは互いの強みを生かすことで、成長するインド市場で鉄鋼業の原料安定供給とサーキュラーエコノミー(CE)の確立を図る。 1974年創業のMTCは、インド全土に30以上のヤードを展開しているファミリー企業。扱い品目は金属スクラップやニッケル、コバルト、合金鉄など。扱い量は220万トンで、うち約190万トンが鉄スクラップ。鉄スクラップは特に自動車関連から発生する新断(しんだち)の扱い量拡大で成長しており、近年は使用済み自動車(ELV)の解体事業にも進出している。三井物産金属資源本部とMTCは約10年前から三国間を含めたスクラップ売買などで関係があり、このほど三井物産の出資に関して合意に至った。 インド市場は成長が見込まれており、数年後にはMTCのスクラップ扱い量は倍増が期待される。 三井物産は豪州や欧米で事業を手掛ける世界最大規模の総合リサイクル業、シムスに出資するなどグローバルな金属リサイクル事業を展開している。インドで強い集荷力を有するMTCをパートナーとすることでインド市場の成長を取り込む。将来的には先進国で培ったリサイクル事業の知見を生かし、インドのリサイクル産業の発展につなげる考え。