深刻な運転手不足で…路線バスが完全「日曜運休」11路線182本 利用者「免許返納したのできつい」「普段も1時間1本なのに」 必要な運転手99人に対し現状74人
運転手不足から、長電バス(本社・長野市)は21日から長野営業所管内で路線バスの「日曜運休」に踏み切りました。利用者からは困惑の声が上がっています。運転手不足解消の妙案はあるのでしょうか。
日曜、赤いバスが…ロータリーにいない
21日の長野駅前。 記者リポート: 「地域住民や観光客の足として利用されている路線バスですが、日曜日のきょう、駅前のロータリーに、あの赤いバスの姿がありません」 赤とベージュの車体が目印の長電バス。21日から日曜日に限り路線バス11路線・182本の運休に踏み切りました。
貸し切りや高速バスも含めてやり繰り
理由は運転手不足。 長電バス 乗合・乗用部長(去年12月19日) 「ご利用のお客様には多大なご迷惑をおかけし、お詫び申し上げます。路線バスを維持するために今回の待遇をやらなければならないことをご理解いただきたい」 長野営業所で必要な運転手は99人ですが、今は74人。貸し切りや高速バスの運転手も充てているものの、外国人客が増える冬場は対応しきれず、日曜運休を決めました。
利用者は困惑
利用者: 「不便ですね、年寄りで免許を返しちゃっているので。案外、日曜日って出る事が多いので、除かれちゃうとちょっときついです」 利用者: 「普段も1時間に1本しかない、それで無くなってしまうのは困っちゃう。バスの運転手のなり手が今少ないというので残念ですけど、若い人が育ってくれるといいなと」
体験会など開くも…立ちはだかる「2024年問題」
日曜運休は「当面の間」とし、不足が解消できれば再開するとしています。 しかし運転手の労働時間を制限する、いわゆる「2024年問題」を背景に、運送業界もバス業界も人手不足。 運転体験会などを開くなどしていますが、なかなか集まりません。 アルピコ交通も春から長野・松本間の高速バスを廃止し、両社が運行する循環バス「ぐるりん号」も大幅な減便が予定されています。
市議会特別委で厳しい現状を訴える
アルピコ交通 植松誠執行役員: 「単独で公共交通を担うことは不可能、行政からの支援なければ立ち行かない」 長電バス 鈴木立彦社長 「バスを運転する、動か人がいないと持続していかない、それが一番の問題」 長野市議会特別委員会の意見交換会(19日)では、厳しい現状を受けて事業者から公的支援の必要性や路線の見直しの声が上がりました。 市議会も対策を議論する予定で、路線バスの維持は行政を巻き込んで大きな課題となりそうです。