なでしこジャパンGK山下杏也加が海外挑戦の抱負 「点が入らないと相手に思わせるぐらいに」
サッカー女子プロ、WEリーグのINAC神戸を今季限りで退団し、海外移籍を目指す女子日本代表「なでしこジャパン」のGK山下杏也加(28)が9日、神戸市東灘区の神戸レディースフットボールセンターで行われた同クラブのファン感謝イベントに参加した。「外国人に対するところで、準備の質や位置取りなど学べる部分はたくさんあると思う。そういうところを意識しながら、同僚になるGKのいいところを盗みたい」と意気込みを話した。 東京都出身の山下は2021年に日テレ東京VからINAC神戸に加入。21-22年シーズンのWEリーグ優勝に貢献し、初代最優秀選手に選ばれた。なでしこジャパンでは19年と23年の女子W杯、21年の東京五輪に出場。今夏のパリ五輪出場権を懸けた今年2月の北朝鮮戦では抜群の反応でゴールライン際のボールを好セーブし、「山下の1ミリ」と称賛された。 イベント後に取材に応じた山下は「(昨年のW杯は)自分でもできている感じがあったが、あと一本のところが届かない、自分はまだ足りていないというのが、ベスト4に上がったGKを見ていたらあった。このままでいいのかと思いながら、若い選手が海外に行っている中で、置いていかれている感じがあって決断した」と心境を説明。「(これまでとの)違いを見せられるように。ゴール前に立ったときに、このGKなら(点が)入らないなと相手に思わせるぐらいの自信を持てるようになりたい」と決意表明した。 INAC神戸からは育成組織出身で、U-20(20歳以下)日本代表のMF天野紗(20)と、今季レギュラーに定着したDF竹重杏歌理(21)も海外移籍を視野に退団する。「(年代別の)W杯やアジア・カップでプレーするうちに海外でプレーしたいと思うようになった。アカデミーからINAC神戸のトップチームでプレーして世界で活躍する。自分はそういう選手になりたいし、同じように世界を目指す選手がアカデミーから出てきてくれたらうれしい」と天野。竹重は「(かつては)なでしこジャパンに入ってから海外に行こうと思っていたが、(けがなどもあり)U-20W杯に出場できなかった。今は代表に選ばれるために海外でも戦えるのを見せたい、証明したい気持ちがある」と海外挑戦を決断した理由を明かした。