「初代PlayStation」の起動画面にこめられた意味、知ってた?PlayStation30周年の今、ソニーに聞く
1994年12月3日に発売され、2024年に30周年を迎えた初代PlayStation(R)(プレイステーション。以下、初代PS)。2024年12月3日、シリーズ最新機種であるPlayStation 5(以下、PS5)のアップデートで、初代PSを再現した起動画面が配信され、多くのゲームファンから注目を集めた。今回は30周年にふさわしいサプライズを用意した理由とともに、意外と知らない初代PSの起動画面やサウンドの由来について、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の担当者に話を聞いた。 ■初代PSに映し出される「赤と黄の正方形」このロゴの由来とは? PlayStationの起動画面に表示されるのはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の企業ロゴ 初代PSの電源を入れてまず画面に映し出されるのは、白い背景に赤から黄色の色相で描かれるひし形正方形のロゴ。ゲームの新時代を感じさせるようなそのロゴアニメーションが心に焼き付いている人も多いだろう。これは初代PSを発売した当時の社名であるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の企業ロゴで、社名がソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)となった現在もなお、引き続き使用されているものだ。 SIEの担当者によると、この正方形のロゴ部分はSONYの頭文字“S”をモチーフにしたもので、「ソニー・コンピュータエンタテインメントの無限な可能性を2次元的な『静』ではなく、3次元的な『動』で表現」しているという。また、赤から黄へのグラデーションについては、「外に向かって永久に回転しながら拡大していく企業のパワーと太陽の光りにも似た未来への輝きを表しています」と話す。 一方、こちらは誰もが「PlayStationのマーク」とわかる4色のロゴは、正式名称を「PlayStationファミリーマーク」という。こちらはPlayの“P”とStationの“S”を組み合わせたデザインで、Playは「遊び」、Stationは「Workstation(ワークステーション)」、すなわち高性能コンピュータを意味し、その二つが融合していたゲーム機が「PlayStation」であることを表現している。PとSの組み合わせが立体感を覚える構成なのも、家庭用ゲーム機での3DCGの進化の火付け役と言っても過言ではない同機の描画性能のイメージがこめられているという。 ■「安心感」と「ワクワク」を表現した起動サウンド また、初代PSの起動音は、広がるような低音からはじまるオーケストラを彷彿とさせるパートから、画面にPSのロゴが表示されたあとのどこか不思議なサウンドへと続く。この一連のサウンドも、やはり印象的なものだった。 このサウンドを制作したのは、当時SONYでPlayStationの立ち上げから携わっていた藤澤孝史さんで、制作の際は“映画館に入ったときのワクワクを感じるようなサウンド”にすることを考えていたという。 オーケストラのようなはじまりは電源を入れたときの安心感を、その後の民族調の音色はゲームがはじまるワクワクを表現しているのだそう。また、「世界中のどんなテレビスピーカーで再生されても、プレイステーションの核となるイメージが保たれること」もコンセプトだったという。 ■30周年の起動画面やテーマは「ホリデーシーズンにかけて」の期間限定 PS5で再現された起動画面は、社名も「ソニー・コンピュータエンタテインメント」のまま再現しており、筆者を含め初代PS直撃世代には間違いなく突き刺さるだろうサプライズだ。また、同アップデートではホーム画面のテーマを、初代から4まで歴代ナンバリングのPlayStationテーマ、そして30周年アニバーサリーテーマに変更する機能も追加された。 SIEによると、これらのアップデートを実装するに至った裏側には、PlayStationユーザーと30周年を一緒にお祝いするという思いがあったという。 「PlayStation 30周年を皆さまと共にお祝いするため、『PlayStation 30周年アニバーサリー コレクション』として、PS5、PS5 Pro、PS Portal、DualSense ワイヤレスコントローラー、そしてDualSense Edge ワイヤレスコントローラーの30周年特別モデルを発売しました。これらの特別モデルは多くのプレイヤーの皆さまからご好評をいただき、チーム一同、大変うれしく思っています。 さらに多くのプレイヤーの皆さまに私たちからの感謝をお伝えし、皆さんと一緒に30周年のお祝いをするために、PS5の起動画面、システム画面、本体の終了画面を期間限定で特別仕様に変更することにいたしました」 歴代ナンバリングのPlayStationテーマではそれぞれの操作音なども再現されており、こちらも初代PS起動画面同様、各世代で遊んだユーザーに響くものだ。 「それぞれの世代のPlayStationに、皆さんそれぞれの思い出が詰まっており、1994年発売の初代PSに特別な思いがある方もいれば、PlayStation 2や3、4に思い入れがある方もいらっしゃると思います。そんな皆さんの大切な記憶を呼び起こせるように、各世代を象徴するデザインや操作音をPS5に取り入れ、選べるようにしました。30周年という節目に、PlayStationの歴史を一緒に振り返って楽しんでいただければうれしいです」と、SIEはその意図を話す。 そんな初代PSの起動画面や追加テーマは残念ながら期間限定とのことで、終了の明確なタイミングは明かされなかったものの、「ホリデーシーズンにかけて期間限定での提供を予定しています」と、この年末年始までは楽しめることを示唆する。 「30周年の節目に、PlayStationの歴史に触れながら新たな思い出を作っていただければ幸いです」というSIEのメッセージ通り、いつも遊んでいる人はもちろん、ご無沙汰な人もそれぞれの思い出が詰まったPlayStationで過ごすのもいいだろう。
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