左：2024年に周年を迎える企業数　右：周年を迎える企業の主な取り組み

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、2024年3月期の営業利益が過去最高益の見通しだと発表し、注目を集めている。開業40周年を記念するイベントや訪日客の回復などにより、入園者数と客単価が増えたことが要因だ。 創業から節目となる周年(※)は、その場限りの祝い事だけではなく、会社の「過去」「現在」「未来」を考える貴重な機会として捉え、このタイミングを最大限に活用し、記念事業としてビジネスにつなげている企業は少なくない。

2024年に周年を迎える企業は13万224社、上場企業は314社

2024年（令和6年）に節目となる周年（10年、50年単位）を迎える企業は、2023年11月時点で、全国に13万224社あることが判明した。このうち、創業から半世紀となる「50周年」企業が1万8376社、「100周年」企業が2019社にのぼった。周年企業全体のうち、上場企業は314社判明し、2004年（平成16年）創業の「20周年」が52社で最多。2014年（平成26年）創業の「10周年」が34社、1944年（昭和19年）創業の「80周年」が33社と続く。 業種別でみると、「建設」が3万6624社と全体の28.1％を占めトップ。次いで「サービス」が3万4739社と全体の26.7％を占め、「建設」「サービス」で周年企業の半数超に上った。

主な周年記念企業　長崎に本店を構える「カステラ本家福砂屋」が400周年を迎える

2024年に周年を迎える主な企業

創業から400年を迎えるカステラ本家福砂屋（長崎県長崎市）は、カステラの製造販売を目的に殿村某氏が1624年（寛永元年）に個人創業したことが起源。長崎県を代表する焼き菓子の銘菓「カステラ」製造の元祖として業容を拡大しながら16代続いている。 上場企業でみると、創業100周年では空調メーカーとして世界シェアNo.1のダイキン工業（大阪市北区）、大手菓子メーカーのブルボン（新潟県柏崎市）、総合玩具メーカーのタカラトミー（東京都葛飾区）、50周年では建築工事の東建コーポレーション（名古屋市中区）、10周年ではきらぼし銀行などを子会社に置く東京きらぼしフィナンシャルグループ（東京都港区）などが名を連ねる。 非上場企業でみると、創業100周年では「シスコーン」「ココナッツサブレ」などコーンフレークやビスケットを製造・販売する日清食品グループの日清シスコ（大阪市淀川区）、50周年ではアパレルのアーバンリサーチ（大阪市西区）やアフラック生命保険（東京都新宿区）、10周年では電子決済サービス「PayPay」のクレジットカードを管理するPayPayカード（東京都千代田区）や、ふるさと納税ポータルサイト運営のさとふる（東京都中央区）などがある。 （※）周年は創業～200周年まで「10年刻み」、200周年以降は「50周年刻み」で算出