プロ野球CSファーストステージ、勝つのはどっちだ?
阪神最大の敵は? 最後に両チームにとって最大のポイントとなる点が1つずつある。有利な情勢は間違いない阪神だがファイナルステージ進出に向けて最大の課題となるのがその「負の歴史」である。表4は過去に阪神がクライマックスシリーズに進出したシーズンの全結果である。なんと4回出場したシリーズで勝ち抜けは0回、試合に勝ったのもたったの1試合しかないのである。シーズン中は五分に戦った相手からは1勝もできず、17勝6敗と大きく勝ち越していた2008年の中日からでさえ1勝を挙げるのが精いっぱいだった。メンバーが移り変わり、監督が交代しても消せない勝負弱さを今年こそ払拭できるだろうか。 一方の広島は守護神ミコライオの登録抹消を可能な限りプラスとしたい。9月以降のミコライオはケガの影響からか不安定な内容に終始、2度の緊急降板をするなどチーム最大のアキレス腱となっていたことも事実。むしろこの抹消で空いた外国人枠を最大限活用することを考えたい。昇格の候補はバリントンとキラ。ひじ痛から復帰を目指すバリントンはファイナルステージ進出の場合の先発候補でもあるが、これだけ救援陣の層が薄い状態であればプルペン待機も考えたい。そしてキラ。昨年のクライマックス初戦では藤浪から逆転3ランを放ち勝利の立役者となった。今シーズンは好調が持続せず終盤は2軍暮らしが続いたが、対メッセンジャーは4打数2安打2四球、対藤浪は15打数5安打6四球、そして呉昇桓からはチーム唯一の得点となるホームランを放っている。投手力を考えると打ち勝つ必要がある今回のシリーズでは、切り札としてスタメン起用まで検討してもよいのではないだろうか。
オリックス-日本ハム 対戦成績は互角、先発の選択がポイントか
パ・リーグも好調とは言い難いチーム同士の対戦となった。ソフトバンクと激しい優勝争いをしたオリックスだが、9月以降9勝14敗と失速したソフトバンクに対して12勝15敗とこちらも負け越し。結局10月2日の大一番にも敗れて優勝は成らなかった。今シーズンチームを支えた救援陣にも疲労の色は濃く、チーム状態は決して良いとはいえない。一方の日本ハムは2位とも4位とも大きく差が開きモチベーションを保ちづらい状況での終盤戦となった。結果9月は13勝13敗の5割。勝ったり負けたりで好調が続かないままレギュラーシーズンを終えた。この両チームの対戦成績も12勝12敗と互角、打線や先発陣の力も拮抗していてどちらが勝ってもおかしくないシリーズとなりそうだ。 最大のポイントは初戦の投げ合い このシリーズ最大のポイントはパ・リーグ最高の投手・金子と桁違いの成長力で2年目にしてリーグを代表する投手となった大谷の先発が予想される初戦の勝敗だ。両チーム2番手以降の先発投手は現時点でも流動的、オリックスは安定感のあるディクソン、松葉、後半戦不調も12勝を挙げている西が先発候補、日本ハムはオリックス戦4勝の上沢、チーム最多26先発のメンドーサらが候補となるがいずれも絶対的な存在ではなく、初戦をとって楽な状態で先発させたいところ。さらにオリックスは今シーズン金子先発で負けた試合の翌日は2勝5敗と苦戦、エースの敗戦は次の試合へ影響も大きく何としても金子で勝ちたいところだ。