ケルシー・マン監督 & プロデューサー マーク・ニールセンが語る 作った僕たち全員の思春期が詰まっている『インサイド・ヘッド2』
映画とはストーリーであり感情。アニメはそれをより効果的に描く
池ノ辺 これまでお二人は、ピクサーのアニメーション映画の制作に関わってこられたわけですが、お二人にとって、映画とはなんですか。 ニールセン ストーリー、最も純粋な形のストーリーですね。 池ノ辺 なぜそれを、ずっと映画として作り続けているんでしょうか。 ニールセン ストーリーがたくさんあるからです。人間として共感できる、あるいは自分が「本当にそうだ」と思えるストーリーがたくさんあるから。特にピクサーという会社は、そのストーリーテリングが非常にうまい人たちがたくさん集まっているんです。そして映画というのは、ストーリーを伝えるのに非常にパワフルなメディアだと私は思っています。その中でも特にアニメーションは、実際にはあり得ないようなものを想像することができるという点ですごく効果的だと思います。 マン そう、例えばこの映画のように、13歳の女の子の頭の中を描くこともできるわけですからね(笑)。 池ノ辺 監督にとっての映画はなんですか。 マン 感情です。そしてそれは愛ということもできると思います。僕が映画を作り続けるのは、観る人の感情を呼び起こしたいという気持ちがあります。自分自身が映画を観ている時も、何かを感じたい。逆に観て何も感じないとしたらそれはすごく退屈で最悪な映画ですけど(笑)。作り手としては、観る人のいろんな感情を呼び起こしたいんです。それは共感であったり恐れであったり、あるいは喜びであったり、さまざまでいいんです。観客の気持ちをコントロールしたいんですね、もちろんいい意味でね(笑)。 池ノ辺 映画を作る上で、一番大事にしている感情はなんでしょうか。 マン 喜びですね。今回は特に、楽しい映画を作りたかったんです。
インタビュー / 池ノ辺直子 文・構成 / 佐々木尚絵