なぜオリンピックは予算超過してしまうのか?ジェフ・ベゾスから学ぶ「コストの捉え方」
双方向のドアと白紙小切手症候群
ベゾスによると、基本的な決定には2つの種類があります。 一方通行のドア: 会社を売ることや、仕事を辞めること。比喩的に言うと、崖から飛び降りることもそうです。一度決めたら、もう後戻りできないことを指します。 双方向のドア: 副業をはじめることや新しいサービスを提供することや、新しい価格体系を導入することなどを指します。修正や取り消しが可能です。 双方向ドアの決定を一方向ドアの決定と誤解することがよくあります。あるいは過度に慎重になり、双方向ドアが実際には一方向であると思い込んでしまうことも。 そうすると、麻痺して何も決断できなくなってしまうのです。 オリンピック開催都市となることに同意するのとは異なり、ビジネスをはじめることは双方向ドアの決定です。いつでも考えを変えることができます。 さらに重要なのは、起業の過程で多くの決定をするうえで、一方向ドアではなく双方向ドアだと見なすことができるということです。 たとえば、機器と資材に1万ドルの予算を割り当てるとしましょう。数週間後、実際の費用が1万2千ドルになることに気づくとします。 小切手は白紙でなければならないでしょうか? いえ、備品の発注を修正したり、機器の台数を削減すればいいのです。予算を変更せずに計画を修正する決定ができます。 これらがオリンピックの予算超過から学ぶべき真の教訓です。いったん計画が立てられると、開催都市は通常、最終的な費用にかかわらず、その計画を実行しようとします。 そうするのではなく、予算を達成するための計画だと見なして計画スケジュールなどを空白の小切手と見なし、無限に変更可能なものとして捉えてください。 予算内でやるべきことをやりましょう。
資金不足にならないための最善の方法
変更できない制約を問題ではなく、競争上の優位性と見なすことが重要です。 2017年に発表された『Academy of Management Journal』の研究によると、資源の制約は創造性、問題解決能力、全体的なパフォーマンスの向上につながる傾向があるとされています。 成功した起業家の多くは、起業時の苦しい時期に感謝しています。 つまり、やる気に満ち溢れ、自己資金で事業を立ち上げて成長させてなんでもありがたく受け入れた日々を過ごした時代です。 彼らは当初、問題に投じる資金も完璧な解決策を待っている時間もすべての決定についてじっくり考える余裕もありませんでした。 そのため、彼らはクリエイティブに考え、状況に適応しなければならなかったのです。選択し、前進し、結果を評価し、さらに選択をしなければならなかったのです。 振り返ってみると、成功した起業家たちはみな、起業初期の制約が、のちの成功の基盤を築いたと感じています。 予算は一方通行のドアだと考えてください。それ以外の計画や行動をすべて双方向のドアとして考えましょう。 それが資金不足にならないための最善の方法です。 そして、それが繁栄するビジネスを築くために必要なスキルと経験を身につける方法でもあるのです。 Source: Sage Journal, Wikipedia, Academy of Management Journal Originally published by Inc. [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
真栄田若菜/OCiETe