トイレが血液で真っ赤に!20代から「痔」の女医が再発させてしまった生活習慣の変化 山本佳奈医師
内痔核は基本的に痛みを感じることはありませんが、外痔核では痛みを感じ、悪化すると血栓ができ激しい痛みを催すようになります。切れ痔の場合、排便時に強い痛みとトイレットペーパーに付着する程度の出血を認め、痔ろうの場合、化膿していることによるズキズキした痛みや発熱を認めることが多いとされています。 ■大量の出血はあるものの痛みはナシ 私の場合、便器の中が真っ赤な血液で覆われてしまうほどの出血を認めますが、痛みは全くありません。そのため、「内痔核」であると考えられます。初めて便器が真っ赤になったときは、あまりの光景にびっくりし、何事かと思い肛門科に駆け込んでしまったほどでした。受診した肛門科のドクターに「痔だね」と言われ、ホッとすると同時に「20代で痔だなんて……」とがっかりしたことを覚えています。 幸い、ずっと痔で悩まされることはなく、頻度も年に2回程度です。挿入する軟膏を常備しておき、症状が出たら軟膏の注入で対処しています。しかし、今回の痔はいつも以上に便器が真っ赤になるような有り様で、トイレットペーパーでお尻を拭いても拭いても、真っ赤な血がつくのです。普段よりはるかに多い出血量の多さに、「このまま続いたらどうしよう」と心配になりましたが、幸い1週間程度で落ち着いたので、病院に駆け込まずに済みました。 痔になる主な原因(※4) は、慢性便秘、下痢または長時間のいきみ、妊娠、ウェイトリフティング、加齢や遺伝による支持組織の弱化などが挙げられます。他に(※5) も、座りっぱなしや同じ姿勢、しゃがみっぱなしの姿勢も肛門に負担がかかるため、あまり良くないと考えられています。 私の場合、便秘がちではないものの、便秘になることがたまにあり、そのときはいきんで排便してしまっています。また、日本では電車移動だったため、家から駅、駅から目的地までたくさん歩いていましたが、アメリカでは移動手段が車です。そのため、自宅から目的地まで、ずっと座ったままの状態が続きます。 普段の生活ではどうかというと、長時間同じ姿勢で座ってパソコンに向かって作業をしています。体をしっかり動かすのは、ジムで汗を流すときだけと言っても過言ではありません。さらに、お風呂に入る習慣がなくなってしまったため、湯船に浸かってリラックスすることや、体をほぐして血流を良くすることがここ2年ほど全くできていません。 そんな生活習慣がたたり、今回は今まで以上に出血を認め、痔の症状が長引いてしまったのかもしれません。また痔を再発しないようにするためにも、頻繁に立ったり座ったりすることで、お尻の負担を減らしてあげようと思います。 【参照URL】 (※1)https://www.mayoclinic.org/medical-professionals/digestive-diseases/news/hemorrhoidal-disease-diagnosis-and-management/mac-20430067 (※2)https://www.cghjournal.org/article/S1542-3565(18)30275-1/fulltext (※3)https://www.coloproctology.gr.jp/modules/citizen/index.php?content_id=22 (※4)https://www.mayoclinic.org/medical-professionals/digestive-diseases/news/hemorrhoidal-disease-diagnosis-and-management/mac-20430067 (※5)https://www.borraginol.com/borralab/prevention/various/various002.html
山本佳奈