なぜ「熊出没注意」看板を無視するのか…「山菜を採りに行く」人たちが明かした「切実な理由」
いまの物価高とは無縁のキノコ類
7月末頃からの暑い時期はブナ舞茸。谷地に生えるナラタケは湿気の高いところに生える。ナラタケは十四種類くらいあります。9月からはナラ舞茸を採ります。ブナ舞茸とは場所が違います。これもキロ3000円にはなります。 天然舞茸は漢方薬にもなります。採れる量が少ないです。大きくなるまで採らないことも多いです。毎週のように確認するようにしますが、その間に誰かに採られることもあります。良い値の付くものは、それだけ山奥に入らなければなりません。 11月末からは霜降りシメジです。どこにどんなキノコが生えているのか、倒木や切り株の位置を知ることが重要です。大雨で沢の水が氾濫したり、台風などで地形も変わります。 キノコ類の価値はお客さんの需要によって上げ下げします。いまいろんなものの物価が上がっていますが、天然のキノコを食べたことがなかったり、ありがたがるお客が少なくなっていると、キノコ類の買取価格は上がりません。 タケノコと比べて、キノコ類を採っている時はクマに会うことは少ないですが、最近は性質の荒いクマが多いです。私は食べ物は絶対に持って入りませんし、クマ鈴など音の出るものも身につけません。静かに山に入って静かに出るようにしています」 積み込み作業が終わった夫婦は、腰を下ろしてクーラーから取り出した麦茶を私にも勧めてくれる。それでは、採ったキノコなどはどこに売るのか。
ロードサイドで売っている品々の正体
「山で採れたものを個人で捌く場合は、買い子に卸すことが多い。買い子は市場や産直店、その他の業者と繋がっています。だから、買取価格が安くても必ず買ってくれるから助かります。 キノコの時期などには、注文が入ってから採って新鮮なうちに買い取ってもらいます。そういう個人業者はたくさんの商品を扱うので年中の付き合いです。向こうから連絡がきて「舞茸あれば全て買う」「大きなナメコ」というように注文されることもあります。それは長年の付き合いがあるから出来ること。まあ、信用商売です。 ある私有地の所有者は、入山者から入山料の代わりにタケノコならキロ500円で買い取って、それを道路際で1200円で販売するようなこともしています。そういう人のところに売りにいく人は、生活の苦しい人が多い。借金漬けだったり、生活保護を受けていて収入がバレたら困るような人も売りにくるようです。その場で現金をくれるから助かるのだね。 農協やスーパーなどに卸してしまうと、個人の収入として税金を支払うことになる。少ない年金がさらに減ってしますことになります」 お二人の場合はどうなのか、聞いてみた。
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