成功したIT企業の創立者のような若い購入者が増えている

2021年に始まったフェラーリのファッションラインは、それから数年を経て進化を続けている。最新の2025年リゾートコレクション（同ブランド初のリゾートコレクション）では、さまざまな構造的なデザインが見られる。この新しいコレクションには、リサイクルしたタイヤから作られた「Q-Cycle」という糸などの持続可能な素材が、ナイロンツイルやかぎ針編みのニットに使われている。レーシングドライバーのユニフォームを思わせる鮮やかなブルーのジャケット、ジッパーやカジュアルな要素を取り入れたエレガントなドレス、そしてドラマチックなイタリア流の仕立てが、このコレクションの特徴だ。 主な目を引くプロダクトにはフェラーリGTバッグがあり、多彩なスタイル、カラー、サイズが用意されている。スタイリッシュなサングラスのラインナップや、跳ね馬をあしらったネックレスやレザーのブレスレット、ゴールドのイヤリングなどの宝飾品もある。フェラーリのロゴ入りベルトはクルマのシートベルトを模したデザインだ。これらのすべてが若い世代にアピールすることは疑いの余地がない。 「フェラーリを単なる自動車ブランド以上のものにしようとする動きは、若い購入者を惹きつけている」とフェラーリ・クラブ・オブ・アメリカでエンパイア・ステート地域の理事を務めるスティーブン・モレアは語る。 「その衣類は高級である上に、最先端でもある。フェラーリは常に若いオーナーを魅了してきたが、成功したIT企業の創立者のような若い購入者が増えている」 モレアは、数年前にミラノにあるフェラーリの旗艦店へ行ったことを振り返る。そこには多くの帽子やシューズ、スニーカー、Tシャツが並んでいた。「今やそれをはるかに超えている。高級なスーツに婦人服、ハンドバッグなど、一段と上流を感じさせる高級なアイテムがたくさん揃っている」 ニューヨークの高級ブランド専門家であるティエリー・ショーニュによれば、フェラーリのファッションラインは適切なやり方を採ることで成功する可能性が高いという。「フェラーリは常に高級車の世界で最先端だった。他の高級品の分野において優位性を主張することは、彼らにとって理に適った動きであるように感じられる」とショーニュは語っている。 「革新的でありながらも時代を超越したデザインに忠実であり続け、デザインの新境地を開拓し続ける限り、彼らは次の世代との関係を築いていくだろう」