民主主義存続には多元主義への深い関与不可欠=オバマ元米大統領
Jeff Mason [ワシントン 5日 ロイター] - オバマ元米大統領は5日、民主主義の確実な存続を図るには多様な価値観を認める「多元主義」に改めて深く関与することが不可欠だとの認識を示した。自身の財団が主催する「民主主義フォーラム」での発言。 オバマ氏は先の米大統領選でハリス副大統領が敗北して以降、ほぼ沈黙を守っていた。この日は米国の次世代リーダーに意見の異なる人々と話し合うよう呼びかけ、「それを怠った結果が米国や世界中の多くの民主主義国家で今起きている事態だ。つまり、単なるこう着状態や市民の不信感の増大ではなく、政治家やその支持者が民主主義の規範を破り、自分たちの目的の達成のために手段を選ばなくなっている」と指摘した。 オバマ氏は、公正さを支える永続的多数派を構築するには、われわれの問題や理念、われわれが信じるものを、「私たち」と「彼ら」という言葉ではなく、「われわれ」という言葉でくくることが必要だと訴えた。 同時に、こうした態度は敵対勢力が権力を濫用したときに屈服することを意味するものではないとも主張。「(権力の乱用は)問題だ。そうなったときには自分の信じるもののために戦う」とも述べた。 オバマ氏は民主党の選挙活動でなお応援要請を多数受けている。ただ、ハリス氏が大統領選において全ての激戦州でトランプ氏の後塵を拝するなど敗北し、議会選も上下両院で共和党が過半数議席を制したことから、民主党内には若いリーダーを求める声もある。 オバマ政権で大統領上級顧問も務めたアクセルロッド氏は「オバマ氏は、既に自分は役割を終えており、新たなリーダーの台頭が欠かせないと言うだろう」と述べた。 民主党のセス・モールトン下院議員も「オバマ・マジックが完全に消えたわけではないが、オバマ氏は今後大統領になることができないし、上院議員にも立候補しない。われわれは国民が今直面している不安や葛藤をよりよく代弁することができる、もっと新しい声を聞く必要がある」と述べ、世代交代が必要性との考えを示した。