少しの差で着物姿がぐんと美しく!「年齢と体型」に合った着付けのポイント
シリーズ4冊が好評発売中の「いちばん親切な着物の教科書シリーズ」(世界文化社)より、新春から役立つ着物知識を全10回でお届け。第7回は最新刊、カリスマ着付け師の大久保信子さんによる『人に着せる着付けと帯結び』から一部を抜粋して、自分が着るときにも役立つ、年齢に応じた着付けのコツをお届けします。 ・年代別の美しい着付けのポイントをフォトギャラリーで見る>>>
着付けは年齢に応じても変化します/監修=大久保信子
洋服のようにデザインに種類があるわけではない着物は、いかに着る人の「TPO」と「年齢や体型」に合った着付けをするかが問われます。 着る人の年齢は、「帯の位置」「衿合わせ」「衣紋の抜き加減」の目安になります。
基本の考え方
●帯の位置 高くすればするほど若々しく可愛く、低くすれば大人っぽくこなれた雰囲気に。 ●衿合わせ 深く詰めれば可愛らしい雰囲気に。浅いと、こなれた雰囲気になります。ただし首元のシワが目立つ場合は、浅くしすぎないほうがいいでしょう。 ●衣紋の抜き加減 肩から背中にかけて肉付きがいい場合は、抜き気味のほうが上半身は華奢に見えます。
着る人が~30代前半の場合
若い方は肩から背中にかけて肉付きも少ないため、衣紋をあまり抜かなくても首が詰まって見えません。またヒップも上がっているため、帯位置を高くしても下半身が目立つこともありません。
着る人が30代後半~50代の場合
首元や背中、お腹回りに年齢が出やすい時期。衿合わせは深すぎず浅すぎず、衣紋はやや抜き気味にすると首回りをスッキリと見せられます。おはしょりの下線と帯位置も低くすることで、落ち着いた雰囲気に見せると同時に下腹のぽっこりも隠せます。
着る人が60代~の場合
人間としての成熟度が増すこの時期は、浅い衿合わせにしたり、帯を斜めに形作ることで、味のある、こなれた雰囲気を醸し出すことができます。
大久保 信子
着物スタイリスト、江戸着物研究家、NHK文化センター青山教室講師、三越日本橋本店三越カルチャーサロン講師。きもの雑誌やテレビ・CMで多くの女優の着付けを担当。絶大な信頼を得ている。いちばん親切な着物の教科書シリーズ『人に着せる着付けと帯結び』大好評発売中。 ※明日は、「TPOに合わせた着付けのコツ」を解説します。