今季J1で最も「期待に応えた」クラブは?識者がトップ3を独自選定!”選手層の薄さ”を乗り越えた神戸、野心的だった福岡を高く評価
◆2位:福岡 昨季J1の14位から大きく順位を上げ、7位へ躍進。ルヴァンカップ優勝というクラブ史上初のタイトルも獲得した。 元々、堅守を武器とするチームであり、シーズン序盤は1点差ゲームを勝負強く戦い、勝ち点を積み重ねたが、中盤以降はポゼッションの精度も光った。6月から本格稼働した井手口陽介と前寛之は、J屈指のダブルボランチであり、彼らの貢献は大きい。 前線では点を取れる9.5番タイプのFW山岸祐也が君臨。このタイプのFWと言えば大迫勇也が第一人者だが、山岸はそれに次ぐ活躍を見せた。この山岸を軸に、背後のスペースを陥れる紺野和也や金森健志らが躍動し、堅守・福岡は過去の特徴に縛られない、新たな次元に足を踏み入れた。初タイトルも納得の野心的なシーズンだった。 ◆3位:新潟 昇格組ながら、リーグ10位でのフィニッシュは見事。狭さと広さを相互的に生かす新潟のポゼッションは、J1で対戦したチームの選手や監督を唸らせた。終盤はほぼ残留が確実だったが、”中位病”に陥ることなく、9月の26節から最終節まで9戦無敗(4勝5分け)。結果の重みに左右されず、サッカーそのものを喜び、スタイルを貫いて戦うチームの芯を感じた。 選手個々でインパクトがあったのは、GK小島亨介だ。被決定機のセービングも素晴らしかったが、やはりポゼッション、相手のプレスを剥がせる箇所を見極めてボールを運ぶ眼が印象的だった。 横浜に1勝1分け、川崎に2勝と強豪に対しても堂々の成績を残した。反面、強度を武器とするチームに対しては、最後の1ゴールを割れなかったり、カウンターを受けたりと苦戦も見られたが、これは来季の課題か。シーズン途中に伊藤涼太郎を失った攻撃陣のスケールアップ、補強が待たれる。 [文:清水英斗]
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