介護職歴18年の女優・北原佐和子 大変だろうと避けていた入浴介助。それが<かけがえのない時間>だと気づいたきっかけとは
◆「どんなふうに」夜を過ごす? 夜勤をして、深く知りたいと思った 一歩踏み出してみたら、次々と新しい発見がありました。 宅老所では、ショートステイでお泊まりになる方々もおられます。 日中、とてもリラックスして過ごしていた方が、夕方になると“不穏”な状態になって、だんだん落ち着かなくなってきます。荷物をまとめて、「帰る、帰る」と言い張ります。でも、泊まりですから、帰れません。 慣れない環境でのお泊まりなので、初日は特に自宅が恋しくなるのでしょう。その気持ち、よくわかります。自分の家ではないですから。 ちょっとお邪魔しているだけだと考えれば、「私、そろそろ失礼します」となるのは、ある意味、当然の話かもしれませんね。 「ごめんなさいね、今日からお泊まりなのですよ」 きちんとお伝えしても、なかなか理解できない方は多いのです。
◆夜勤をやるようになった理由 今、「帰りたい」と言っておられる方は、夜はどうなるのだろう? 私はすごく気になりました。 諦めるのか、納得するのか。どういうタイミングでパジャマに着替え、どうやってひと晩をやり過ごし、次の日の朝を迎えるのか。 頑(かたく)なな気持ちがどのように変化していくのか、夜間の様子を自分の目で確かめたくなったのです。 そんなふうにもっと深く関わりたくなったのは、私にとっては、ごく自然な流れでした。お仕事だから、という使命感や向上心というより、相手に対して強い興味を有したからだと思います。 それから夜勤をどんどんやるようになりました。 ※本稿は、『ケアマネ女優の実践ノート』(主婦と生活社)の一部を再編集したものです。
北原佐和子
【関連記事】
- 小倉智昭「コレクション用の部屋を畳み、荷物を入れた自宅から妻と義母が出て行き…。一人暮らしで妻との仲がより親密に」【2024年上半期BEST】
- 老後のひとり暮らしに立ちはだかる<5つの壁>とは。自由なおひとりさま生活が抱える「心と体」両面のリスクを考える【2024年上半期BEST】
- 女優歴42年・介護職歴18年の北原佐和子。畑違いのダブルワークと思いきや…「女優と介護の仕事はとても似ている」
- 介護職歴18年の女優・北原佐和子「41歳で資格を取得。介護事業所に応募するも30か所ほど断られて…」
- 湯川れい子×林真理子人生を楽しむ秘訣、中村萬壽の歌舞伎人生、登山ガイド本のレベル区分問題【週間人気記事 BEST5】