爆笑問題、浅草キッド、ナイナイ…客前に立つベテランコンビの“相方”の意義 取材で語られた言葉を紡ぐ
■サンパチマイクの前に立った浅草キッド 3年後に向けて宣言
爆チュー問題の配信スタートから4日後の10日、浅草キッドの2人が浅草・東洋館の舞台に立っていた。師匠・ビートたけしを生んだ浅草のストリップ小屋であり、そして浅草キッド、結成、揺籃(ようらん)、修行の地で『10月×10日【キッドリターン】~アサヒ芸能人トークライブin浅草フランス座』と題したイベントを開催。終盤、おもむろに登場したサンパチマイクに、観客からはこの日一番の拍手が起こった。 息のあったかけあいを披露したが、水道橋博士が「今後、漫才をやっていくかという話をして」と切り出すと、玉袋筋太郎も「事務所も違いますし。もうちょっと歳を取ってね。オレも『美しく枯れる。』なんていう本も出しました。今57歳で、60歳になった3年後、その時に博士は65歳。その時ぐらいにやった方が、2人いい感じに漫才ができるんじゃないかなという結論です」と言葉をつなげた。 続けて博士が「結論は、浅草キッドは“解散”します」と切り出し「時限的な解散。3年後に2人でサンパチマイクを挟んで、ちゃんと漫才をやろう」と宣言。玉袋が明るく「活動休止でいいじゃねーかよ(笑)!」とツッコミを入れ、博士が実は段取りがあったことを示唆するなど、明るいトーンで終幕した。 イベント後、ORICON NEWSの取材に応じたは博士は「赤江くん(玉袋)が還暦の時にやりましょうと。僕は、サンパチマイクの前でしゃべったら漫才だから大丈夫だと言っていたんだけど、それは赤江くんの気持ち次第だから。サンパチマイクに対して、完全なものができるのか。言葉としては、時限的な休止ということでいいと思います」と話した。 爆笑問題と浅草キッド、期せずして近いタイミングで2組の取材をしたことで、2組のイラストが表紙を飾る、2001年に刊行された高田文夫氏監修の『笑芸人VOL.4』(白夜書房)を開いてみた。同書では、博士が「THE MAKING OF 浅草キッド」を寄稿しているが、その中に「漫才師」という呼称への思いがにじみ出た文章がある。 「ダメなテレビタレントだとは言われることはあっても、ダメな漫才師だとは言わせない。漫才師に特別なプロ意識があり、本業が漫才師であることに矜持がある」(『笑芸人VOL.4』(白夜書房)より) この文章から23年が経った今、浅草キッドがサンパチマイクを通して語ったこと、今回のイベントを行うにあたって、2人が発した「赤江くん、俺たちもう終わちゃったのかなぁ?」「小野さん、バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ!」という言葉の意味を改めて考える。漫才師という肩書に思いが強いからこそ、3年後に2人そろって舞台に立つまでは「時限的な休止」という選択をして、ファンの前で伝えたのだろう。きっとリターンしてくれるだろうと、23年前の博士が背中を押している気がした。