【注意!】ウイルス性感染症“増加傾向”…背景にコロナ禍での免疫力の低下 最強の感染力「はしか」も要警戒
日テレNEWS
「インフルエンザ」に「感染性胃腸炎」「RSウイルス」に「新型コロナウイルス」と、今、感染者数が増加傾向となっているウイルス性感染症が目立っています。 ◇季節外れの増加? ◇「免疫が落ちている」 ◇「はしか」も要警戒 以上の3点について詳しくお伝えします。
■冬がピークの感染症も“季節外れの流行” ウイルス性感染症が増加傾向
今月、新型コロナウイルスが2類相当から「5類感染症」に分類されましたが、国は医療機関を決めて、患者数が増えているのか減っているのか、毎週「定点把握」を行っています。 国立感染症研究所の最新のデータ(定点報告数 第20週5/15~21)を見てみると、「インフルエンザ」は前の週と比べて感染者数が約1.39倍に増加。そして「ノロウイルス」や「ロタウイルス」などに感染したことによる「感染性胃腸炎」は約1.24倍。2歳までにほぼ100%が感染して、赤ちゃんでは肺炎など重症化することもある「RSウイルス」は1.5倍。そして、今月5類となった「新型コロナウイルス」は、前の週と比べて約1.35倍に増加と、これらのウイルス性感染症がすべて、現在、増加傾向となっています。 中でも、インフルエンザ、感染性胃腸炎、RSウイルスは、例年だと冬の時期がピークなので、今は「季節外れの流行」と言えそうです。
■コロナ対策で免疫力が低下? 専門家は「冬の大きな流行の前兆」と指摘
なぜはやっているのか、インフルエンザに注目して見てみます。 今月、大分市で全校生徒の4分の1ほどにあたる497人がインフルエンザに集団感染しました。また、東京・調布市でも今月、1つの学校で児童と教職員あわせて104人が集団感染しました。このように各地で、学校など若い世代のクラスターの事例が出ています。
さらに、注目いただきたいのが国立感染症研究所の第20週(5月中旬~下旬)のインフルエンザ定点報告数です。インフルエンザは、新型コロナが流行した3年間は劇的に感染者数が少なく、5月の同じ「1週間の報告数」で見てみると、2020年は15人、21年は8人、22年はわずか4人でした。 ところが、今年はどうなっているかというと、実に9275人、去年の約2300倍にも跳ね上がっています。さらにコロナ前の2018年、19年と比べてみてもかなり多くなっています。 【インフルエンザ定点報告数】 ◇2018年:1957人 ◇2019年:4559人 ◇2020年:15人 ◇2021年:8人 ◇2022年:4人 ◇2023年:9275人(5月末時点)