【注意!】ウイルス性感染症“増加傾向”…背景にコロナ禍での免疫力の低下 最強の感染力「はしか」も要警戒
専門家は「この3年間が、今のインフルエンザの流行に深く関係している」と指摘しています。 慶応義塾大学・医学部の菅谷客員教授によると、「この3年ほどは感染対策をしてきたので、インフルエンザにかかる人も少なかった。そのため、インフルエンザに対する免疫が落ちている」ということです。 また、気温が上がってくる5月は、普段であればウイルスの感染力は低いはずですが、免疫が落ちているために感染者数が増えているとみています。
さらに菅谷教授は、「今の流行は冬の大きな流行の前兆だ」と指摘しています。「免疫が落ちている今年の冬は、感染者が急増する可能性が高く、流行も10月末くらいに始まるのではないか」という見方です。
手洗いや人混みへの外出を控える、また咳(せき)やくしゃみの症状がある時は、マスクなど基本的な対策はもちろん有効です。さらに、菅谷教授は「効果的なのはやはり、ワクチンで免疫を高めることで、政府などから呼びかけがあった場合は、早めに接種してほしい」と話しています。
■最強の“感染力” 同じ空間にいるだけで感染の可能性
そして、ここまで見てきた感染症以外でも、今、心配な状況になっているのが「はしか」です。 このはしかについては「全数把握」、つまり国内で感染が判明したすべての数がカウントされていますが、今年は今月21日までの最新のデータで12人となっています。 【はしかの今年の感染報告数(5月21日まで)】 ◇2月:1人 ◇3月~4月:3人 ◇5月:8人 実は、去年は1年間で6人だったので、半年足らずで去年を上回ったことになります。
警戒する理由は、数ある感染症の中でも最強と言われるはしかの「感染力」です。 先月23日に新神戸から東京へ向かう新幹線「のぞみ50号」で、同じ9号車に乗車していた、面識がなかったとみられる男女3人がはしかに感染しました。インドから帰国した1人の男性から、2人に感染したとみられています。 はしかというのは「接触感染」「飛まつ感染」だけではなく、「空気感染」もするため、はしかを発症している人と同じ空間にいるだけで感染することがあります。そうなると、手洗いやマスクだけでは予防ができません。