福岡大大濠「恐怖の8番」松尾、九州勢対決にケリ 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第7日の26日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、4年ぶり5回目出場の福岡大大濠が、初出場で21世紀枠の具志川商(沖縄)との九州勢対決を制してベスト8に進んだ。福岡県勢はセンバツ通算60勝目。福岡大大濠は大会第9日の準々決勝第2試合で、東海大相模(神奈川)と戦う。 【今大会のホームラン】 延長戦になった九州勢対決は、「キーマンの8番打者」の一振りで勝敗が決した。延長十一回、福岡大大濠の8番・松尾が左越えに決勝本塁打。1回戦でも決勝打を放った松尾が、下位打順の8番を打ち続けるのには訳がある。 延長十一回。先頭で打席に入ると、狙っていた直球が内寄りに甘く入ってきたのを逃さなかった。フルスイングした打球は、放物線を描いて左翼席ではねた。「懸命に投げていた毛利のために1点でも取りたかった」。先発のエース左腕・毛利は延長十回途中に太ももがつり途中降板したが、約束は果たせた。 センバツ出場が決定した直後から、八木監督は「打線のキーマンとなるのは松尾」と言い続けてきた。その言葉通りに1回戦でも決勝打を放ったが、打順は8番のまま。その理由を八木監督は「松尾をリラックスした状況に置けば、(中軸と)二つの得点源ができる」と明かす。昨秋の九州大会ではチーム打率1割8分4厘と苦しんだ打線のてこ入れ策だった。 昨秋チーム最多の2本塁打を放った松尾だが、力み癖があり、5番に入った九州大会では打率1割を切る極度の不振に陥った。8番という居場所を見つけ、気持ちよくバットを振れるようになった。 勢いを得た打線は13安打8得点。形になってきた「ダブルクリーンアップ」で、春夏通じて初の甲子園4強を狙う。【吉見裕都】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。