「朝ドラ“優三さん”とのギャップがすごい」仲野太賀、「大きな瞳をひん剥いた」小池栄子ーー「新宿野戦病院」が“もっと評価されてもいい”根拠
軽やかにまったく違うキャラクターを演じ分ける俳優も魅力的だが、ひとつの役をこんなにも集中して突き詰めて見えることもいいものである。小池栄子が朝ドラと被っていなくてほんとうによかった。 ■大ベテランだが、「朝ドラ」と縁がない名優 ほかにも濱田岳、橋本愛や生瀬勝久、柄本明、高畑淳子など、現・朝ドラと被っていない名優たちがいる。だが彼らは今回の『虎に翼』には出ていないが、濱田も橋本も生瀬も高畑も、朝ドラブームがはじまった2010年代以降の作品で非常に印象的な役をやって人気を博してきた。
朝ドラに出て全国区に認知度があがった俳優を起用したいのは当然であろうとつくづく思う。 だがしかし、その中で2010年代以降の朝ドラと縁のない俳優がいた。主要な俳優の中では柄本明だけ2010年代以降の朝ドラと縁がなかったのである。朝ドラに出てなくても認知度抜群であることは昨今、むしろ、貴重である。柄本は飄々と、清濁併せのみ、歌舞伎町の赤ひげ先生的な役割を担っている。 そんなことも含めて『新宿野戦病院』はおもしろい。
【写真】「虎に翼」からのギャップがエグすぎ! 仲野太賀、戸塚純貴、余貴美子…別人のような変貌を見る
木俣 冬 :コラムニスト