【YS横浜】倉貫監督「悲観する内容でない」北九州に敗れるも、JFL高知との入れ替え戦へ収穫
<明治安田J3:YS横浜2-3北九州>◇24日◇第38節◇ニッパツ三ツ沢 YSCC横浜(YS横浜)が、今季最終戦でギラヴァンツ北九州に2-3と敗れた。 既に19位が確定しており、JFL2位の高知ユナイテッドSCとの入れ替え戦(12月1日、7日)を想定し、積極的に攻めた中で後半アディショナルタイムのラストプレーで失点した。ただチーム本来の持ち味とする「前への推進力」を強調したものだけに、倉貫一毅監督は「悲観する内容ではない」と毅然(きぜん)と話した。 収穫があった。前半35分、左ウイングバックに入る19歳MF橋本陸斗が左サイドから中へカットインし、右足でゴールを決めた。リーグ戦待望の初ゴール。これまで利き足の左を警戒され、縦を抑えられてきたが、鋭いフェイントから中へ持ち込んでのゴールは好材料だった。倉貫監督も「今までなかったプレーで一つの成功体験になる。こういうのはプラスになる」とうなずいた。 また、終盤は1点を追いパワープレーを仕掛けた中、アディショナルタイムの後半47分にMF冨士田康人が左足で値千金の同点ゴールを決めた。さらにクロスボールから波状攻撃を仕掛け、決定的な場面を作った。全員で勝ち越しにいった結果、逆にカウンターから失点した。 試合を総括した倉貫監督は「今季を象徴するような試合」と表現した。チャンスで決められず、その後に失点して敗れる。ただ、この日はJ1でも活躍した北九州のエースFW永井龍に1点こそ奪われたが、コンパクトな守備で1試合通じてうまく対応していた。それだけに「JFLにあのレベルのストライカーはいない。ここで経験できたのは大きい」。勝負はもちろんあったが、既に19位が確定していただけに、入れ替え戦を見据えてより内容にこだわった試合だった。 J3残留か、降格か。まさに天国か地獄かというサバイバルマッチを迎える。ホームアンドアウェー方式の2試合。まずは12月1日午後1時から香川・Pikaraスタジアム、そして7日午後3時からホームのニッパツ三ツ沢で開催される。同点の場合は延長戦、それでも決着がつかない場合はPK戦で勝敗が決まる。 勝負の12月に向けて倉貫監督は「自分たちがこの1年やってきたことに立ち返りたい。推進力のところ、そこが結果を出すのに一番近いと思ってやっていく。ここ2試合はそこでいいものが見えた。その上でリスクマネジメントをしっかりやらりたい」。自分たちのサッカーを信じて戦う。J3残留だけは譲れない。