ソフトバンク宮川社長が語る“ahamo対抗”の真意 純増だけを追わず、「ペイトク」プラン改定も検討
3G停波の対応、年内の巻き返しへ
通信品質の面では、3G(第3世代移動通信システム)の停波に関連した対応の遅れを認めた。「1月末で3Gの停波をする予定だったが、能登半島地震の影響で4月末まで伸ばした。エリアによっては7月末まで引っ張ってしまった」と説明。ただし「その言い訳が終わった時期」として、「12月末までに必ず巻き返せ」と現場に指示を出しているという。 具体的には、3Gで使用していた周波数帯をLTE(4G)に転用し、トラフィック対策と基地局の増設を進める方針だ。設計のベースが12月以降に完成すれば、「あとはリモートでアンテナの角度調整をするだけ」として、年内での品質改善に自信を見せた。
全セグメントが増収増益、コンシューマー事業がけん引
2024年度第2四半期(2024年7-9月期)の業績は、売上高が3兆1521億円(前年同期比7%増)、営業利益が5859億円(同14%増)となり、上期として過去最高を記録した。全セグメントで増収増益を達成し、通期業績予想も上方修正している。 主力のコンシューマー事業は売上高が前年同期比3%増、営業利益も4%増と堅調な推移を見せている。モバイル事業の売上高は122億円の増収。2021年度に実施した料金値下げの影響から徐々に回復し、2023年度下期以降は増収基調が定着してきた。
エンタープライズ事業、AIサーバ需要が好調
エンタープライズ事業の売上高は4458億円となり、11%の増収。特にソリューション事業が28%増と好調で、法人売上も順調に拡大している。 好調なのはディストリビューション事業を担うSB C&SによるAIサーバ販売だ。外部顧客への売上は5倍に拡大し、特に創薬企業など生成AI活用に積極的な業界からの引き合いが強いという。現在はGPUの供給不足により社内向けが中心だが、「もう少し自分たちが理解したらまとめて買いたいという声もある。これをパイプラインとすると相当な量になる」と、供給が安定すれば外部需要への対応も本格化させる方針を示した。 SB C&Sはエンタープライズ、SBテクノロジー、LINEヤフー、PayPayなどグループ内の案件にも参画する機会が増加。「サブスクリプションのモデルが相当根付いており、ビジネスモデルの転換に成功した企業」として評価している。