関空の台風21号被害「大阪の台所」など観光経済にも影響
関空の台風21号被害「大阪の台所」など観光経済も直撃
今月4日、近畿地方に接近した台風21号の影響で冠水や関空連絡橋にタンカーが衝突するなど大きな被害を受けたある関西国際空港。復旧工事を進め一部を再開させているものの、通常時の離着陸数にはほど遠く、訪日外国人観光客の数も減っている。近年、外国人観光客でにぎわいをみせる大阪のスポットも、売上減少の影響を受けており、頭を悩ませている。 【中継録画】通常より観光客が少ないという黒門市場からミナミの様子を歩いて中継
いつもは観光客でにぎわう場所にも影響が
多くの鮮魚点など約180の店舗からなる「黒門市場」でも、外国人観光客の「激減」により、各店舗とも台風の接近後に売上が少なく、頭を悩ませている。 元々「大阪の台所」として知られ、近年では訪日外国人観光客を受け入れ、連日にぎわいをみせていた黒門市場だが、4日の台風の接近以来、客足がかなり減ったという。 ほぼ毎日買い物に来るという中央区在住の女性(71)は「いつも午後にはたくさんいる(外国人)観光客の間を縫うように歩いてます。けど、ここ何日かはスースーと楽に歩ける感じがするので、影響があるんだなと感じで、店のみなさんが気の毒」と話していた。
「関空がいかに貴重な存在か改めて知らされた」
「今回の台風で、関空がいかに貴重な存在か改めて知らされました」と語るのは、同市場内の鮮魚店従業員の男性。ここ数年は、外国人観光客の売上が大きいため、今回のようなケースは大きな痛手だ。 「けっこう、店の中で魚を食べたりするお客さんも多いから(売上が)大きいんですよね。台風以来、かなり暇になりました」と、不安な表情を浮かべながら話す別の店の関係者もいた。 また、別の鮮魚店関係者の男性は「1日100人以上来てたお客さんが、10人~20人になるのはキツイですよ。空港の復旧を本当に願っています」と話していた。
道頓堀の観光船も外国人観光客の姿少なく
大阪市中央区の道頓堀周辺も、外国人観光客の数は少なかった。土産店の女性従業員は「きょうは午後からの勤務ですけど、出勤する時は、いつも周りで外国人観光客の声を聞きますからね。あと、道頓堀川で運行してる観光船も、ほとんど外国の人が乗ってないから、いつもと違うのは明らかです」と話していた。観光船の関係者も「(悪天候の)天気のせいだけじゃないでしょうね。やはり関空の影響も大きいかも」と話していた。 昨年、大阪府を訪れた訪日外国人客数は約1111万人。今年1月の発表時に、大阪府の松井一郎知事は「5年前に比べても5倍以上と非常に高い伸びを示しています。2020年の目標1300万人に向け取り組んでいきます」と話すなど、訪れる外国人観光客数が好調だっただけに、今回の被害は大きな影を落とした。 道頓堀の飲食店に勤める30代の男性は「ここのところ店もその影響で売上があった。6月の(大阪北部)地震もあったり、影響がなければいいのですが」と心配そうに話していた。