【真理子の部屋/月曜中京11R】だから競走馬は美しい
◆たくさんの人の思いも乗せて…
北海道開催が終わり、帰りの馬運車での輸送もしっかりクリア。この中間はまた西原助手がまたがり、あえて前に壁をつくったり、チップをかぶせたりの調教を行ってきました。最終追いはしまいに反応を確かめるいつもの調整。「合図さえくれればいつでも動けるぞ」というブルービーの声が聞こえてくるようでした。 「馬が大人になってきて、最近はドシッと構えていますね」とほほ笑む西原助手は、誰よりもブルービーの強さを信じてきたひとり。 その言葉を聞いて、ファンの皆さまにもぜひ、ブルービーのレースはもちろん、これまでの調教履歴も全て見てほしいと思いました。名前が出ている人、出ていない人といますが、全ての騎手さん、助手さんの魂が、ブルービーの走りに記憶として乗っているからです。普段お世話をする上村助手、そして生産、育成、放牧先の方々の愛情も…。競走馬が美しいのは、そういう、たくさんの方々の思いが寄せられていることも理由なのかなと私は思います。 苦手を克服したブルービー。その姿の背景には、たくさんの方々の顔が浮かんできます。そして全員がきっと、アニバーサリーSを走るブルービーに「頑張れ! 頑張れ!!」とエールを送ってくれる。今回は1800メートルの距離がカギになりますが、担当記者としていろいろな過程を取材させていただいたからこそ、彼のラスト100メートルの踏ん張りに見えざる力が働くような気がしてならないんです。
赤城 真理子