多くの受験生が“気づいていない”…「勉強はしているのに、ちっとも成績が上がらない」の根本要因【医学部受験のプロが解説】
「勉強しても成績が上がらない…。私には才能がないのだろうか?」そんな悩みを抱えた子どもが、一つのきっかけで一気に伸びることは少なくありません。医学部受験専門予備校メディカ代表・亀井孝祥氏が解説します。
「わかる」と「できる」は違う
まず確認したいのは、「勉強への取り組み方」が間違っていないかどうかです。 成績が伸び悩み、苦悩している受験生の典型的な例に「わかるのにできない」というパターンがあります。 授業を受け、参考書を読めば「わかる」のに、テストでは間違える。そして、その部分を見直して「本当はわかっていたのに」と、あたかもケアレスミスであるかのように思い込む。この繰り返しのせいで、「勉強はしているのに、ちっとも成績が上がらない」という状態が定着してしまうのです。 原因は、「わかる」と「できる」の違いを理解できていないことにあります。 教科書や参考書を読んで、その意味を理解できる状態が「わかる」。そして、理解した内容をテストで問われたとき、正しく論理的に解答をつくれる状態が「できる」です。この差に気づいていない生徒は多くいます。
成績向上に必要なのは、「できる」量を増やすこと
いくらたくさん授業を受け、参考書を読んで「わかる」量が増えたとしても、「できる」量が増えていかなければ、テストの点数は上がらず、成績は伸びません。つまり、伸び悩んでいる受験生に効果的なのは、「わかる」経験を増やすために多くの授業を受けることではなく、テストを繰り返し行い、「何ができて」「何ができないのか」を正確かつ徹底的に明らかにしていくことなのです。 子どもの成績が上がらない場合、この違いに気づいているかどうか、注視してみる必要があるかもしれません。 予備校を選ぶ際は、カリキュラムをチェックし、「できるようになること」に十分力を注いでいるか、目を配るようにしましょう。つい授業メニューの豊富さに目を奪われてしまいがちですが、その内容が身に付いていなければ、受験では何の役にも立ちません。 例えば筆者の予備校では、「できる」ようになるために以下を実施しています。 (1)1週間ごとに学習計画を立てる (2)取り組んだ内容を確認 (3)2週間後に「学習した全範囲」を復習テスト。5週間経ったら、6週目にそれまでの5週分を再度テストする (4)テストの形式は途中過程が見える「記述型」がよい (5)テストでは、授業を教える先生が直接採点・アドバイスする (6)前期で高校の範囲を一巡し、後期は入試問題に取り組む カリキュラムをチェックする際の参考になれば幸いです。