自律神経が乱れやすい春。疲れやイライラに効く漢方の知恵とセルフケア術
連載 おいしい漢方【3月】
国際中医薬膳管理師であり漢方アドバイザーの久保奈穂実さんが、3月を健やかに過ごす養生の知恵と、疲れを癒すおいしい漢方レシピをお届けします。「養生」とは、病気になる前の「未病」の段階で体を整え、病気を未然に防ぐという中医学の考え。今日から無理なく、簡単養生&漢方生活を始めませんか? 読むだけで薬膳漢方の知識が身につく『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』(世界文化社)から一部を抜粋してお届けします。
3月の過ごし方、養生の知恵/文・久保奈穂実(くぼ・なおみ)
二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」。土の中で冬ごもりしていた生き物たちが目覚める頃。人間も家から出て、春の心地よい日差しをたっぷり浴びて、しっかり深呼吸して新鮮な空気を取り込んでのび~っとしたい季節。 一方で春は寒暖差によって自律神経が乱れやすいので要注意。自律神経を整えるためには、生活リズムを一定に保つことがポイントです。寝る時間や、食事の時間をできるだけ日々同じに保つと、それだけでも自律神経は整いやすくなります。 疲れているからといって、休日だけダラダラといつまでも寝ていたりすると、逆に体はつらくなってしまうので気をつけてくださいね。
自律神経の乱れによる不調
・不眠 ・情緒の乱れ ・お腹の不調 ・体温調整機能の乱れ(ほてり、多汗、冷え)など
・ストレス対策に脇腹伸ばし
せわしない年度末はストレスがたまりがち。気が滞って、側頭部の頭痛や脇腹に張るような痛みが出ることもあります。体側部にはストレスと関わりの深い経絡(けいらく)が通っているので、ストレスがかかると張りや痛みが出やすくなるのです。 ふぅ~~~っと深く息を吐きながら脇腹を伸ばす、伸び伸びストレッチがおすすめです。寝る前の数分行うだけでも全然違います。仕事のあいまにもおすすめ。とにかくその都度ため込まないで、その日のストレス、その日のうちに。
・年度末の疲れにレモンの香り
アロマの力もストレス解消に効果的です。おすすめは、レモンの精油。爽やかな酸味のあるフレッシュな香りで、気の巡りがよくなります。胃腸のつかえを解消して食欲を整えたり、便通や血流、こりの改善にも。 バスソルトに数滴加えると、一日のストレスが取れて睡眠の質も改善。レモンの精油は肺に作用するので免疫を高める効果も期待できます。風邪予防や、花粉症対策にも、肺を元気にしておくことは大切ですよ。