中高生向け恋愛映画、似たような設定&顔ぶれなのにヒットするのはなぜ?
ヒロインには清潔感と親しみやすさ重視
またそんな男性キャストの相手役となるヒロインにも特徴があるという。 「ターゲットが女性であるため、色気がある小悪魔タイプよりも、清潔感と親しみやすさが重視されます。代表的なのが土屋太鳳さんでしょう。彼女はデビュー当初こそ、やや癖のある役柄で存在感を発揮していましたが、朝ドラの『まれ』に出演以降、自身が体育会系ということもあり、爽やかで健気というイメージが定着しつつある。少女漫画のヒロインとしては打ってつけなのではないでしょうか」(同映画プロデューサー) 実際、土屋は15年公開の『orange』、16年公開の『青空エール』、今年3月公開の『PとJK』、今秋公開予定の『兄に愛されすぎて困ってます』と少女漫画が原作の実写映画に引っ張りだこの状況だ。 邦画のヒットの目安として、興行収入10億円というラインが設けられているが、福士が主演を務めた『好きっていいなよ。』(約11億)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(約18億)、『ストロボ・エッジ』(約23億)、山崎が出演している『オオカミ少女と黒王子』(約12億)、『ヒロイン失格』(約24億)、『orange』(約32億)、『四月は君の嘘』(約14億)、「三代目 JSB」の岩田剛典が主演を務めた『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(約22億)と、軒並み大ヒットを記録している。 似たような俳優による似たようなストーリーという“既視感”が叫ばれる少女漫画を原作にした実写映画だが、これまでの作品の興行収入、そして“理にかなった製作過程”を鑑みると、こうした傾向は今後もしばらく続きそうだ。 (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所) ※山崎賢人さんの「崎」はつくりが「立」ですが、システム環境により「崎」で表示されています。