メタ売上高、予想を若干上回る-AI含む先端部門の赤字拡大へ
(ブルームバーグ): フェイスブックの親会社、米メタ・プラットフォームズは30日、人工知能(AI)や拡張現実(AR)を含む先端事業部門の赤字が、年内引き続き大幅に拡大するとの見通しを示した。同部門への多額投資に伴い、中核の広告部門に圧力がかかっている。
同社AIの最近の性能向上にもかかわらず、広告事業にウォール街が期待するほどの勢いは生まれていない。メタが示した10-12月(第4四半期)売上高見通しは450億-480億ドル(約6兆9000億-7兆3600億円)。アナリスト予想は460億ドルだった。30日の米株市場時間外取引でメタの株価は若干下げている。
7-9月(第3四半期)売上高は前年同期比19%増の406億ドルと、アナリストの予想平均(403億ドル)を上回った。ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、AI投資が売り上げを押し上げたと述べた。
同CEOは発表資料で、「当社アプリと事業全般におけるAIの進捗(しんちょく)によって、好調な四半期になった」と説明。同社の生成AIモデルとAI搭載スマートグラス(眼鏡型端末)に「強い勢い」があると指摘した。
ザッカーバーグ氏はソーシャルメディア企業をAIイノベーターに変革し、メタの潜在成長力に対する投資家の認識を変えようと取り組んできた。年初から30日終値までのメタの株価上昇率は67%を超え、S&P500種株価指数構成銘柄で最もパフォーマンスの高い銘柄の一つとなっている。
メタの主なAI製品は、チャットボットに活用する複数の大規模言語モデル、各種ソーシャルアプリに搭載されるAIアシスタント、AI搭載のスマートグラスなどだが、同社にはメタバース構築というさらに野心的な目標がある。
同社は最近、ARスマートグラス第1弾「Orion(オリオン)」を披露した。
こうした先進的プロジェクトを担当するリアリティーラボ部門の7-9月の営業損益は、44億ドルの赤字となった。メタは営業赤字拡大要因について、「継続中の製品開発への取り組みと投資」を挙げた。