インフルエンサーの取り込み狙うOpenAI、「クリエイター責任者」を募集中
クリエイターたちとの「コラボ」
しかし、OpenAIはこれらの問題に対処する動きも見せている。同社は5月に、クリエイターが自分の所有する素材を特定し、それがモデルの訓練に使用されることに同意するかどうかを指定できる「メディアマネージャー」を開発中だと発表した。 OpenAIが採用を進めるクリエイター責任者が、これらの問題への対処を担当するかどうかは不明だが、その役割の一部には、すでに同社のツールを使用している人々を発見して、プロモーションへの協力を求めることが含まれている。 ■クリエイターたちとの「コラボ」 OpenAIはすでに、映画やファッションフォトグラフィー、音楽など、さまざまな分野のクリエイティブな人々やインフルエンサーと協力しており、これらのコラボレーションを通じて「AIモデルの能力と限界を理解する取り組み」を行っている。 その一例が、シンガポールの建築デザイナーが運営するインスタグラムの人気アカウント、Nice Auntiesとのコラボレーションだ。彼女は、MidjourneyやRunway ML、OpenAIのSoraなどのツールを使用して、ユニークな女性のイラストを制作している。OpenAIとNice Auntiesのアカウントで投稿された最近の動画には、ひび割れた卵から何十人ものミニチュアの「おばさん」たちが出てきて、掃除やペディキュアをしたり料理をしたりといった家事をこなす様子が映し出すものがあり、約50万回再生されていた。 OpenAIはまた、インスタグラムとTikTokで「Smart Work AI」というアカウントを運営するアトランタ出身のプロダクトマーケターのセリア・クイリアンと共同でコンテンツを投稿している。 クイリアンによると、今年初め、OpenAIは彼女が投稿した、ChatGPTをどのように料理やゲームに利用するかを説明する動画の一部をシェアし始めたという。その後、同社のチームは彼女に連絡を取り、共同作成者としてプラットフォームに参加するよう依頼し、その目的を同社のAIツールを「もっと多くの人々に話題にしてもらう」ためだと説明した。 このような、コラボのほとんどは、無償で行われている模様で、唯一の特典は、まだ一般公開されていないOpenAIのモデルに無料で無制限にアクセスできることだという。しかし、一部のクリエイターはそれを公表することを許されていない。Soraへの早期アクセスを提供されたあるクリエイターは、技術的な詳細や早期アクセスを受けた事実を開示することを制限する秘密保持契約へのサインを求められたとフォーブスに語った。