ノーベル賞の大隅氏が帰国「オートファジー研究、あと4年努力したい」
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スウェーデンのストックホルムで開かれたノーベル生理学・医学賞の授賞式に出席していた東京工業大学の大隅良典栄誉教授が14日夕に帰国し、羽田空港で記者会見を開いた。 【中継録画】ノーベル賞授賞式から帰国、大隅良典栄誉教授が会見(全編)
ノーベルの墓を訪問「感慨深かった」
大隅栄誉教授は「授賞式は大変感動的なものだったし、晩餐会は晩餐会で素晴らしかった」と振り返った。ノーベル財団で歴代受賞者がサインしている本を見せてもらった際、科学の教科書に登場する研究者や、大学院時代にあこがれた研究者らの名前を見て「そこに自分の名前を記すことになったのか」と感無量だったという。 会見に同席した妻の萬里子さんに対しては「いろんなところで支えてもらった」とあらためて感謝。「家族と一緒に壇上に上がれたことは大変思い出深い出来事になったし、家族を大事にしようとあらためて思う機会となった」と家族への思いを口にした。萬里子さんも「大隅がレクチャーした時に皆さまから拍手をいただき、胸にせまるものがあった」と述べた。 滞在中は「ノーベルという一人の科学者、実業家に思いを馳せて、時間があればぜひ行ってみたいと思っていた」というノーベルの墓も訪れた。雪景色のなか墓地は静かで、ノーベルの墓も雪をかぶっており、非常に感慨深かったと語る。 「帰宅したらわが家で足を伸ばして、そのまま寝るんじゃないか」と笑顔を見せた大隅栄誉教授。今後もオートファジーの研究を続ける。「達成度は30%くらい。酵母で“基本問題”をもう少し頑張って解いて、動物細胞のオートファジー研究にインパクトを与えられるよう、あと4年間努力したい」。その目は新しい夢に向けられていた。 (取材・文:具志堅浩二)