23日、ロシア中部カザンで、BRICS首脳会議に参加するロシアのプーチン大統領（中央）ら各国首脳（AP）

ロシアや中国など主要新興国でつくる「BRICS」の首脳会議は23日、露中部カザンで全体会合を開き、共同宣言を採択した。宣言は、グローバルサウスの多くの国がBRICSに関心を持っているとし、「パートナー国」資格の創設を支持すると明記。米ドル依存の脱却に向け、国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会（SWIFT）」とは異なる独自の決済システムの構築を目指す方針も定めた。 【写真】習主席「世界統治システム改革の先導者に」BRICS首脳会議で主張 共同宣言は、BRICSを拡大して先進7カ国（G7）に対抗するとともに、対露制裁の打破を図りたい議長国ロシアの思惑が反映された。 プーチン露大統領は演説で、世界は欧米一極集中ではない「多極世界」の形成が進む激動の時代にあると強調。新たな秩序による安定の回復が「国際社会の多数派の願望」であり、そのためにBRICSこそが求められていると主張した。 中国の習近平国家主席も「われわれは世界の統治システム改革の先導者にならなければならない」と表明した。 全体会合では、ロシアの侵略開始から24日で2年8カ月となるウクライナ情勢や中東情勢なども協議。共同宣言はウクライナ情勢に関し、対話による問題解決を求める提案を歓迎すると表明。パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘の即時停戦を求めた。（小野田雄一）