移住するなら鎌倉?逗子? 両市市長が横浜で対談
年間のべ2千万人以上の観光客が訪れる神奈川県鎌倉市と、県内屈指のベッドタウン・逗子市。海や山の豊かな自然、都内へも電車で一時間程度でアクセスできる便利さなどから、近郊からの移住者も多い。 そんな両市への移住希望者を対象に4月30日、鎌倉市の松尾崇市長と逗子市の平井竜一市長をゲストに迎えた「街を知る」講座が横浜で開催された。参加した30代前後の男女14人のうち、鎌倉派と逗子派はそれぞれ約半数。逗子在住の編集者・ミネシンゴさんをモデレーターに、街の魅力や子育て環境など、移住のメリットだけでなく、それぞれが抱えている課題やそれに対する取り組みについても、ざっくばらんに語られた。(以下敬称略)
多様性と意外性の鎌倉、団結感の逗子
ミネ まず率直にそれぞれの街の魅力をお聞きしたいと思います。鎌倉、逗子の自慢できるポイントはどんなところでしょうか。 松尾 鎌倉は知名度がある街で、観光でも多くの方に来ていただいていて、お寺があって、神社があって、海があって山があって、というイメージがあると思います。もちろんそういう良さがある中で、私が一番お話させていただいているキーワードは「多様性と意外性」です。 国道134号から車に乗りながら海を見ていると、よくサーファーの人たちが海に出ていて、若い人がやってるのかなと思うんですが、実際は60代・70代の人もすごく多いんですね。また、お寺に行って座禅を組みながらご住職に説法していただく機会があるんですが、ご年配のご住職が人生について語ってくださるのかなと思うと、まだ20代くらいの若いご住職が出てきて、鎌倉のお寺のことなどをお話してくださるところがとても多いんです。 古い街で古い人たちが仕切ってるんじゃないか、というイメージを持たれるかと思いますが、決してそうではないんです。新しく入ってきた人たちの方が人口の割合的には圧倒的に多くて、そういう人たちの方が、歴史的なことのみならず、さまざまな新しいカルチャーを起こしていくということをやっています。そういう意味での多様性と意外性があるのが、鎌倉の良さだと思っています。 平井 逗子はやっぱり自然と人ですかね。鎌倉も同じように自然は豊かですが、逗子は人口が約5万6千人で鎌倉の約3分の1、面積も17平方キロ強と非常にコンパクトで、その半分くらいは森林なんです。人は残りの半分くらい、8とか9平方キロメートルのところに住んでいる。生活のすぐそばに自然がいつもあるっていうのは、逗子の人のほとんどが魅力を感じているところだと思います。 小さい街なので、何かをやろうというときに、この指とまれというと、いろんな人がわーっと集まって協力してくれるということが起きるんです。(そういった動きは)行政も全面的にバックアップして、なにか障害があれば少しでもやりやすい状況を作ろうとしています。この後行く逗子海岸映画祭も、市民活動の延長だったものが、地域をなんとか盛り上げたいという思いでいろんな人のつながりを生み出して、今では世界でもかなり注目度の高い屋外の映画祭になっています。