移住するなら鎌倉?逗子? 両市市長が横浜で対談
ITスタートアップから、個性的な飲み屋街まで
ミネ たくさんの雇用が生めるような大企業はどちらもそんなに多くないかなと思いますが、鎌倉の方がスタートアップのイメージある気がしています。 松尾 株式会社カヤックさんをはじめIT企業ががんばってくださっていて、カマコンバレー(※)とも相まってIT企業が集まって来ているイメージを作っていただいてるんですけど、実際のところはそうでもなかったりします。起業自体はいろんな街で増えていて、決して鎌倉が珍しい現象ではないです。 そういう人たちがどういう風に鎌倉を使っているかというと、本社を鎌倉に置くことで、営業するときに、あ、鎌倉なんですね、と言ってもらえるのが一番大きいと言っていました。そういった使い方はぜひしてもらったら良いと思いますが、実際にもっとIT企業に鎌倉に来てもらって、新しいライフスタイルを実現できる街というものを、そういった人たちともう少し作っていきたいと思っています。 ※カマコンバレー…鎌倉で活躍する人や企業をITを使って応援する会員制の団体。毎月の定例会には100人以上が集まる ミネ 移住したいと思っているみなさんの中でも、仕事は東京っていう人が多いんですよね。仕事と住所というものを一元化することはなかなかできない、東京に働きに行きながら、住まいは湘南にしたいという人が一番多いと思いますが、住まいも仕事もぜんぶ変えてこっちにどっぷり浸かりたいんだとなったときに、働くこと、雇用の面ではどういった課題があるのでしょうか。 平井 逗子は企業や工場といった大きな事業体がないので、逗子で仕事も住居もとなると、やっぱり個人あるいは数名のデザイナーやIT関係の職種が可能性としては大きいですね。あともう一つ、最近の顕著な傾向としては、若い経営者が出店するケースがとても増えてますね。特に飲食店。 逗子駅前に3つの商店街がありますが、本当に小さい間口が一間とか二間くらいの店舗なんですが、一人とか二人、あるいはファミリーで立ち上げて経営しているお店が、なんでこんな多いんだろうっていうくらい、立ち飲み屋みたいのを含めて増えてますね。 ミネ そういう店って、逗子は逗子駅の周辺に固まっていて、池子とか東逗子の方に行くとどんどん少なくなると思いますが、鎌倉は、大船駅周辺にも相当ありますよね。ああいう小さい個人経営の店は、まちづくりにおいてどんな位置なのでしょうか。 松尾 大船と鎌倉ってやっぱり街の雰囲気が全然違う中で、大船はもっとレトロなイメージを出していこうと街の人たちと話しています。そういう中においては、個性のある居酒屋とかが増えていくというのは、街の魅力につながっていきますね。街に合った人が出てくるということで言えば、古民家を活用したカフェとか、若い人が出す新しい雰囲気の良いお店が鎌倉は目に見えて増えているので、とても良い傾向にはあるかなと思います。 ミネ 逗子は、魚佐次さんがあることによって逗子っぽさが担保できてるんじゃないかなと。 平井 駅前の一等地に魚屋があるっていうのはなかなか貴重だと思います。今どき魚は切り身しか見たことないなんていう子どももいる中で、大きな魚がずらっと並んでますからね。