豪GⅠで驚きの大逃走V!最大30馬身差まで突き放す…逃げ切りを許した「追う者の心理」とは?
【TPC秋山響の海外競馬解析】秋のオーストラリア中距離王者を決めるGⅠクイーンエリザベスS(芝2000メートル)が13日にシドニーのランドウィック競馬場で行われ、プライドオブジェニ(牝6=父プライドオブドバイ、C・マー厩舎)が観客の度肝を抜く大逃げを決めて優勝した。 D・ベイツ騎手を背にしたプライドオブジェニは好発を決めると、稍重馬場の中1分12秒62で通過した1200メートル地点では2番手に5秒16もの差(1秒=6馬身差とすると約30馬身差)をつける驚きの大逃げ。 さすがに最後の600メートルは200メートルごとのラップで12秒16→12秒56→13秒08と減速したが、それでもバタッとは止まらず、GⅠ2勝馬で1番人気のヴィアシスティーナに6・54馬身差をつけてフィニッシュ(勝ちタイム2分02秒02)。ヴィアシスティーナは勝ち馬を4秒以上も上回る上がり600メートル33秒50で追い込んで力のあるところを見せたが、すでに勝負は決していた。 レース後「2、3番手の馬は前を追いかけるべきだった」とコメントした騎手もいたが、2番手にいたミスターブライトサイド(C・ウィリアムズ騎手)はそもそもGⅠ6勝は全てマイル以下で、2000メートルで自ら動いていって最後まで持たせるイメージは湧きづらいところだろうし、3番手プラスデュキャルゼル(T・ベリー騎手)にしても、前走でヴィアシスティーナに後ろから差されており、警戒していたのは前よりも後ろだったはず。動くに動けなかった心理は十分に理解できる。今回はベイツ騎手とプライドオブジェニのコンビを素直にたたえたい。
東スポ競馬編集部