パリ五輪開幕に先駆けてスポーツ関連株が早くも堅調 「アシックス」急上昇、「ミズノ」33年ぶり高値圏、「ヨネックス」急反発
【株式フジ】 世界最大規模のスポーツイベント、五輪がフランス・パリで7月26日―8月11日の日程で開催されます。32競技、329種目で世界のトップ・アスリートが力と技を競い合います。また、障害者スポーツ大会、パラリンピックも8月28日―9月8日に開催されます。この夏はスポーツが話題になる場面が多く見られるでしょう。 五輪やサッカー・ワールドカップなど世界規模のスポーツイベント開催年には、株式市場でも「スポーツ関連株」が材料株として話題になります。今回はその動きが早く、多くの関連銘柄がすでに堅調な動きになっています。 スポーツシューズの世界大手企業「アシックス(7936)」はスポーツ関連株として一番に名前が挙がる企業の一つですが、足元、株価は急上昇局面にあります。5月にMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出・公表する世界株指数の定期入れ替えでは日本株唯一の新規採用銘柄でした。海外投資家への認知が進んだと思われます。 スポーツ用品専業大手企業の「ミズノ(8022)」は約33年ぶりの高値圏にあります。国内販売好調に加え、海外でサッカーやインドアスポーツ用品の販売が伸びており、今期は3期連続最高益更新が期待されています。バドミントン、テニス用品で知られる「ヨネックス(7906)」も中国市場堅調とインド市場拡大期待によって急反発を見せています。 ゼビオHD好評価 さらに、スポーツ用品販売大手企業で「スーパースポーツゼビオ」、「ヴィクトリア」などを展開する「ゼビオホールディングス(8281)」も5月末に急伸局面がありました。これは発行済み株式数の6・79%に当たる300万株、40億円を上限とする自己株式の取得実施が好感されたものです。 あわせて「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を開示し、2024―26年度に既存店の活性化や新規出店、低効率事業の縮小・撤退、保有資産再評価と流動化推進などに取り組むとした経営姿勢も評価されました。 スポーツ関連株はパリ五輪開催に先駆けて株価に動意が見られます。序盤に日本選手や日本チームが活躍を見せると、さらに上値を試す可能性がある銘柄です。
前回の東京五輪では、日本は58個のメダルを獲得しています。今回はそれ以上が期待されます。パラリンピック人気も高く、長続きしそうなテーマでもあります。 (株式ジャーナリスト 天海源一郎)