触って愛でたい木彫りのいきものたち、神戸ではしもとみお展。展示に連動した「ケモノとひと時音楽祭 」とマルシェも開催
■ 兵庫県出身の彫刻家・はしもとみおさん。過去に「情熱大陸」にも出演
兵庫県出身の彫刻家・はしもとみおさんの巡回展『はしもとみお展ー時を刻むいきものたちー』が、「神戸ゆかりの美術館」(神戸市東灘区)で開催中だ。巡回展の中で神戸会場が最大の広さとなる。 【写真】宇宙に行った犬、クドリャフカ(8月8日:はしもとみお展) いまにも動きだしそうな、まるで生きているような表情の木彫りの彫刻作品を多数生みだしている、はしもとさん。愛らしさと躍動感を兼ね備えたそれらの作品を再現したカプセルトイは「キタンクラブ」など複数メーカーから何バージョンも発売されたりするほどの人気で、多くの人たちから愛されている。
■ 展示されているのは彫刻を含む約110件
はしもとさんは、獣医を目指していた15歳の時に阪神・淡路大震災を経験し、動物たちのいる風景が一瞬にして失われるという光景を目の当たりに。この体験をきっかけに、たとえ失われた命であってもその輝きを「彫刻」という形で残したい、と作品づくりをはじめた。 本展では「時間」をテーマに、新作の彫刻「ゴン」「トム」をはじめとする木彫りの彫刻作品や、これまでに発表されていない、被災後から美術大学在学中の作品、作品を制作するまでに丁寧に観察した動物たちのスケッチ、モデルたちの個性を記録したメモなど、約 110件が展示されている。
■ いきものたちを触って愛でたい!肉球マークのシールが目印
今回の展示の特徴は体験型。全てではないが、実際に触ってなでたり、木彫りの手触りを楽しむことができる彫刻作品が多数。なんとロバの木馬には20キロ以下の子どもは乗ることもできる。 さらに静止画撮影はもちろん、1分以内の動画撮影もOK。SNSへの投稿も可能だ。それゆえ何時間もかけて、じっくりと展示を楽しむ来場者も多いそう。 学芸員の辻さんは「はしもとさん本人からの楽しいのアイディアと、いきものへの愛が詰まった展示になりました。次の展示室の移動を猫の『シナモン』が誘ってくれたり、神戸会場にちなんだ遊び心のある展示もあったり、至る所で『かわいい~』の声があがっています。彫刻作品は前から見るだけでなく、全方位からじっくり楽しんでほしいです」と話す。