予想の5倍以上! 5200万円で落札されたAMGチューン「450SLC 6.9 グリーンマシン」とは? メルセデス傘下に入る前の過激マシンでした円で落札! AMGがチューニングしたホットモデルでした
メルセデスSLCシリーズは高級パーソナルクーペのお手本になった
メルセデスSLCシリーズは、のちに欧米各国で生まれることになる高級パーソナルクーペのお手本になったことでも、エポックメイキングな存在となった。例えば、リアクオーターウインドウ後端に取り付けられた縦置きブラインド型のサンシェードは、わが国でもトヨタの初代「ソアラ」にそっくり真似られたという、懐かしいエピソードをご記憶の方も多いに違いあるまい。 とくに最上級・最高性能グレードである450SLCは、大排気量V8エンジンのもたらす優れたパフォーマンスにより、ヨーロッパ製高級グランドツアラーの頂点に立つモデルとして認識されていた。 しかし、アメリカ西海岸で1985年からAMGのスペシャルショップを営み、AMGおよびメルセデスのコレクターとしても知られていた故バリー・テイラー氏が秘蔵していた450SLCは、スタンダード版よりもさらに強烈なパフォーマンスを誇る、まさしくモンスター級の1台だったのだ。
エスティメートの5倍以上という高価格で落札!
このほど、ボナムズ「AMG Rediscovered Online」オークションに出品された1976年式メルセデス・ベンツ450SLC「6.9」は、ダイムラー・グループの1部門となる以前のAMGが一品製作したと思われるホットロッド的チューニングカー。「グリーンマシン」の名で知られるこの450SLCは、ドレスナー銀行で頭取を務めていた人物のために高性能な「コンチネンタル(大陸)エキスプレス」として製作されたと伝えられている。 トランクリッドに「6.9」のバッジこそないものの、当時モノのAMGボディキットやカラーリングされたペンタ型AMGアロイホイール、そして左右フロントフェンダーのタイヤハウス後に新装されたワイルドな四条のサイドベントが、ボンネットの下に潜むものを示唆している。 このクルマに搭載されているのは、フルサイズの「450SEL 6.9」リムジン用の6834cc SOHC V8エンジン。ボッシュ製燃料噴射との組み合わせで286ps/4250rpmをマークし、なんと5速マニュアルトランスミッションを介して後輪を駆動する。 「シルバーグリュン・メタリック」(グリーンがかったシルバー)に、明るいグリーンのヴェロア生地インテリアが映えるこのクルマには、「あの時代」を感じさせる魅力的なアクセサリーが多数装備されている。エクステリアでは、AMGのボディスタイリングパッケージがロングホイールベースのSLCデザインと見事にマッチしており、このクルマのスリムなヨーロッパ仕様バンパーと4灯ヘッドランプもそれを強調している。 いっぽうキャビンでは、ウッドリムのAMG純正ATIWE社製ステアリングホイールや「ブラウプンクト」社の希少な「グースネック」ラジオコントローラー、メルセデス・ベンツ純正のヴェロア生地でトリミングされた「レカロ」社製スポーツシート、メモリー機能つきの電動シートコントローラーに特注のロールバー、さらには冷蔵リアコンパートメントなど、1970年代後期の技術の粋を集めて大幅にアップデートされている。
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