A・ミッタルと三菱重工、ゲント製鉄所で世界初「CO2の一酸化炭素転換」実証試験
アルセロール・ミッタル(AM)と三菱重工業は8日、ベルギーのゲント製鉄所で回収した二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)へ転換する世界初の実証試験を開始したと発表した。新パートナーに迎えたディ・カーボン社のプラズマ変換技術で炭素と酸素の結合を切り離し、COをコークスや原料炭の一部代替として高炉で活用する狙い。 同所では5月にAMと三菱重工、BHP、三菱商事の豪州金属資源開発事業、ミツビシ・ディベロップメント(MDP)の4社共同でCO2回収の実証試験を開始。三菱重工と関西電力が共同開発したCO2回収技術「アドバンスド・KM・CDRプロセス」の本格実用を検討してきた。この回収技術によって高純度なCO2をプラズマ変換装置へ供給する。 ゲントでは7月1日からCO2回収装置とプラズマ変換装置の接続を開始。製鉄過程で生じるCO2に含まれた不純物がプロセスや製品ガスに悪影響を及ぼさないことを実証で確認する。 三菱重工の長安立人GXセグメントCCUS担当セグメント長代理は声明で「AMとディカーボンとの協業でCO2を回収し貴重な原料に変換し再びプロセスに還元する一連の取り組みは、産業分野におけるCO2排出削減の新たな一手になる」とコメントしている。