【特集】「大好きな商店街を復活させたい……」13棟が燃えた魚沼市商店街火災から1年 店や住まいを失った人々のいま ≪新潟≫
魚沼市の商店街で13棟に被害が出た火災から1年。 店や住まいを失っても「大好きな商店街を復活させたい……」まちの未来のために奮闘する地域の人たちを追いました。 【動画で見る】魚沼市の商店街火災から1年 再建へ…地域の奮闘と絆《新潟》
祖父の代から続く餅店を営む
夜明け前の午前4時……1階の窓から灯りが……。 鉄板の上には……ホクホクのどら焼きの生地。ほんのり甘い香りが広がります。 若井文康さんは魚沼市小出島で祖父の代から続く餅店を営んでいます。 〈若井餅菓子店 若井文康さん〉 「色が良くなってきた。みんなここら辺の人は朝が早いので7時ごろ取りに来ますのでね」
以前と同じように作る「おはぎ」
地域のお祭りが開催されるこの日、多くの注文が入りました。 豆の香りが心地いい自慢の「赤飯」に手際よくあんこで包んでいく人気の「おはぎ」。 商店街の火災から1年、以前と同じように作業できるまでになりました。 〈若井餅菓子店 若井文康さん〉 「一番はじめ自分の家が燃えるなんて思っていないので。全部火が上がったときはそれこそ終わりだと思いましたけど、こうやって仕事ができているので」
「若井餅屋が燃えている」
2023年9月、魚沼市の商店街で発生した火災。 暗闇の中で燃え広がる炎……。 〈若井餅菓子店 若井文康さん (火災当時)〉 「まじか消えねぇぞ、おらんちまで来るな」 「消えてくれよ」 「若井餅屋が燃えてるよ…終わりだ」 店舗や住宅など被害は13棟に及びました。
火災が奪った商店街
魚沼市にある「南本町商店街」。 川幅を広げる工事に伴い45年ほど前に誕生しました。 長年、愛されてきた憩いの場所は火災によって一瞬にして奪われました。 〈商店街で暮らす男性〉 「45年が3時間で終わってしまうんだからね」 〈商店街で暮らす女性〉 「ここもう辞める人がいるよ。若い子がだんだん少なくなっているからそれが大変だけど、でも頑張らなきゃと思ってね」
火事の翌日
火事の翌日商店街の一角で餅店を営む若井さん…… 祖父が始めた店の3代目です。 火事の翌日寝室があった3階へ行ってみると……。 〈若井餅菓子店 若井文康さん (火災当時)〉 「おー全部ないね、全部壊れたね」 「全部燃えているのを見るとやっぱりショックだな。子どもたちもここで育ちましたので、切ないな」 テレビは枠だけが残り……棚にあった本も表紙など外側はすべて焼けていました。