バローHD 主力3業態で共通PB検討 社長直轄「推進室」立ち上げ
バローホールディングス(HD、本部多治見市)の小池孝幸社長は中部経済新聞の取材に応じ、プライベートブランド(PB)戦略を抜本的に見直す考えを示した。傘下の食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンターの主力3業態で共通のPBを開発・展開する方針だ。社長直轄の「PB推進室」を立ち上げ、具体的な検討に入った。物価高騰に賃金上昇が追い付かず、一般消費者の節約志向が強まる中、バローグループの最大の強みの一つであるPBをてこ入れする。(菊地治滋) 小池社長は「グループの力でPBをより強くするため、(業態別にPBを販売する)個別最適ではなく、全体最適を狙って、将来のために今動く」と強調した上で「グループ一括で調達や販売量をつくり、新たなデザインなども考えていきたい」と話す。既存ブランドに加え、新ブランドを開発して3業態で販売する可能性もありそうだ。具体的なスケジュールは明言していないが、向こう3年の間に詳細を詰め、施策に落とし込む。
バローのPBの歴史は長い。「バローでしか買えないものを創ろう!」をコンセプトに1976年から開発。味の品質や価格を追求し、積極的に商品を展開してきた。2020年には、良品廉価や暮らし応援などをテーマにした「valor select(バローセレクト)」、こだわりや身近な上級商品などをテーマにした「valor plus(バロープラス)」として刷新し磨き上げてきた。食品スーパーでは、カップラーメンや飲料、調味料など約1500品目を取りそろえている。 中部薬品(本社多治見市)が展開するドラッグストア「Ⅴ・ドラッグ」では、健康食品や日用雑貨など「V―check(ブイチェック)」として販売。ホームセンターバロー(本部多治見市)が展開する店舗では、グループのアレンザホールディングス(本社福島市)で取り扱うPBを販売している。 3業態合わせた店舗数は約千店舗(24年6月末時点)に上る。圧倒的なボリュームで、魅力的なPBの販売につなげる。