詐欺防止、即チェック 南砺署がキーワードまとめシート 金融機関、コンビニに配布
●「投資」「もうかる」「高収入」1枚に 南砺署は20日までに、SNSなどを悪用する特殊詐欺の被害を防ぐため、銀行やコンビニで活用してもらう独自のチェックシートを作成した。「投資」「もうかる」「高収入」など詐欺で使われるキーワードを1枚の紙にまとめ、来店者に見てもらうことで、自分で詐欺と気付くよう工夫した。同署は管内の金融機関約40店舗とコンビニ16店舗に配布した。 シートはA4サイズで、振り込みと電子マネーの悪用を想定した2種類を作成した。一つは「誰かに『お金を振り込め』と言われていませんか?」と質問から始まり「還付金」「示談金」「未納料金」などの言葉が使われていたかどうかを問う内容とした。 電子マネーの詐欺を防ぐシートでは「パソコンがウイルスに感染した」「警告音がした」「修理・保証する」などの言葉に注意を促した。 南砺署はこれまでも金融機関などに協力を依頼し、実際、行員らが詐欺被害を食い止めたケースもあった。しかし、今年2~4月に南砺市の60代女性が架空料金請求の特殊詐欺に遭い、計2020万円をだまし取られるなど、すべての被害を防ぐことは難しく、新たな対策としてチェックシートを導入した。 シートを使うことで、銀行やコンビニの客は短時間に詐欺の可能性を確認できる。行員や店員は業務に追われる中、労力や時間をかけず詐欺防止を啓発でき、職場に置くことで常に詐欺防止を意識することにもつながる。 21日、富山銀行城端支店はチェックシートを活用する投資詐欺被害防止訓練を初めて実施する。南砺署の北山巧児署長は「1件でも被害がなくなるよう活用を呼び掛けていきたい」と話した。