ヒルクライム制覇のために生まれたゴルフ II パイクスピーク【ゴルフ50周年 モータースポーツを彩った8台④】
前後にエンジンを搭載したモンスターマシン
1974年にドイツで誕生したフォルクスワーゲン ゴルフは、2025 年に日本導入50周年を迎える。ゴルフは当初からスポーティな車両として設計され、1974年の初期段階で、将来の GTI (1976 年にデビュー) が国際 FIA 規則に従って開発されることが想定されていたという。そうした背景のもと、その後、ゴルフにはモータースポーツと深く関係したスポーティなモデルが多数登場している。今回の特集シリーズでは、「スポーティゴルフの50年」を振り返り、さまざまな世代の忘れることのできない8台の象徴的なモデルを紹介しよう。第4回は1987年に登場したゴルフ II パイクスピークをピップアップする。 【写真はこちら】シンプルなカラーリングの「ゴルフ II パイクスピーク」。NIXDORFはドイツのコンピューターメーカー。(全6枚)
車両番号 04 ゴルフ II パイクスピーク(1987年)
Golf II 'Pikes Peak' ゴルフ パイクスピークはゴルフⅡ GTI をベースに、フロントとリアに2つのエンジンが搭載されたデュアルエンジンのレースカー。 伝説のエンジニア、クルト・ベルクマンとフォルクスワーゲン モータースポーツが開発したこのデュアルエンジンのプロトタイプは、フロントとリアに最高出力326psの直列4気筒ターボエンジンを搭載し、合計652psという驚異的な出力を発揮。必要に応じて、前輪駆動、後輪駆動、または全輪駆動で走行でき、メンテナンスを迅速に行うため、車両の前部と後部全体を取り外しすることが可能だった。 この車両は1987年に、世界で最も有名なヒルクライムレースである「パイクスピーク国際ヒルクライム」に参加したことから「パイクスピーク」と名付けられたが、頂上のゴール寸前でリタイアとなった。 それから21年、フォルクスワーゲン モータースポーツはデュアルモーターと全輪駆動を搭載した完全電動パワートレーンの「ID.R パイクスピーク」で、ついに「未完の仕事」に終止符を打っている。
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